罪と罰
私と彼女が二度目の復縁をしてからは少しの間は順調そのもので、あれから二年間はお互いに幸せな時間を過ごしていた。
そして、二十歳から付き合いだして…色々あったが別れてる時期を省き彼女と付き合って八年が経過した。
お互いに歳を重ね…気づけば私の歳はすでに31歳になっていた。彼女においては36歳だ。ここまで長く彼女とのお付き合いが続いてはいるが、相変わらず私達は結婚もするわけでもなく、もちろん彼女の方も離婚すらしていない。そしてそれはこれからも変わらない。
この時の私は、どんな状況だろうと彼女の事を生涯愛していくと決めていたから例え結婚できなくともこれといって残念がりもしていなかった。じっと彼女を影から支え続けていく事が今の私の使命なんだと思いながら日々生活していた…。
だけど私達の関係は不倫…、世間体からみたら許されない事を八年もの間続けている。いつかばれる日がくるものだと思い、びくついている日も多かった。本当のところはどうかわからないが、幸か不幸か彼女の旦那と二人の子供には未だにばれていないみたいだ。
彼女が家庭ではそれを隠しながら上手い事しているからであろう。そこは素直に凄いと思う。よくもまぁ八年間もばれずにここまでこれたものである………。
だけれども…彼女にしてみれば旦那と子供を騙し続けて来た八年間である。私だって旦那と子供に対しては罪悪感で申し訳ないと思った事も正直あった。
神様というものは本当にいるのだろうか?そんな不純な事をし続けていた私達にとうとう天罰が下った…。
それは、5月ぐらいの出来事だった…………。
その日はいつもみたいに私の家でまったりとした感じでいた。そんな時、彼女が心配そうに私に話しかけてきた。
「あのね、多分違うと思うんだけど…。」
「うん?どうしたの?」
「私ね、生理が全然こないの………。ちゃんと避妊してるし、ただ遅れてるだけだと思うんだけどさ、今回は来なくなってもうすぐで二ヶ月だし、少し心配になってきた。」
「マジで!?そんなに来てなかったの?」
「そうなんだよね…。でも中で出してないもんね?ちゃんと気をつけてたよね。だから、大丈夫だって信じたいんだけど…。」
「とりあえず今薬局行って妊娠検査薬買って来るからちょっと待ってて。それで違えば安心でしょ?」
「だね。待ってるよ。」
私は平静を装っていたが、内心は心臓が爆発しそうなくらい動揺していた。でもちゃんと避妊してたんだから大丈夫なはずだ。私は自分にそう言い聞かせ薬局に急いだ。
数分後、私はタイプの違う妊娠検査薬を二つ買って、急いで帰ってきた。
「買ってきたよ。どっちがいい?両方試してみよっか?どちらとも平気なら問題ないもんね!」
「うん。じゃあやってくるね。」
彼女も心配なのだろう。声が若干震えていた。
「終わったよ。後は結果待ちだね………。大丈夫…だよね?」
「当たり前だろ。大丈夫に決まってるよ!心配ないって!」
私は精一杯の励ましの言葉を彼女にかけた。
「私が最初に一人で見てもいいかな?」
「したいようにしていいよ。絶対大丈夫だもん!」
私達は緊張しながら結果が出るまでの時間を待った。僅か数分間が非常に長く感じる。
そしてその運命の時間はやってきた………。
「見てくるね……。」
「う、うん…。」
彼女は妊娠検査薬の結果を見に行った。
その結果は………………………………………………。