選択ミスなのか…
確かに今までは姫ちゃんの事も勿論好きだった。だが今は気になる人が現れたのも事実だ。
アユちゃんは勿論結婚もしてないし、姫ちゃんには失礼かもしれないが、若くて、しかも誰もが認める可愛いさを兼ね備えている。だけども姫ちゃんとの過去の思い出は、私にとっては何事にもかえがたいものなのも事実だった。
どっちをとるか…。ひとつは何も不可がかかってない至って普通の人。もうひとつは子持ちで旦那がいる非常に不可がかかっている人………。
私は………………………。
間違っているかもしれないが、泣きながら懇願してきた姫を選んだ………。
多分この選択は間違っているに違いない。彼女を選ぶ事によってのメリットはほぼ無いに等しい。むしろ、選ぶだけ私はこの先もどん底に落ちる可能性の方が上回っているだろう…。そうと頭ではわかっているのに私は姫ちゃんを選ぶ事にした。
アユちゃんにきちんと真剣に告白して、フラれてから姫ちゃんと付き合うという選択肢を選ぶという手段もあったのだが、当時の私にはそれが出来なかったし、その時は考えもつかなかったのである。
もしそうしていて、アユちゃんにお付き合いのオッケーを貰っていたのならば私の人生はその後、今とは格段に違っていたのではないかと思われる。
だが私は姫ちゃんを選んでしまった。この先もきっと苦労するにちがいない。その事もわかったうえで私は彼女を選んだ。
「わかった。やり直そう…、いざこうやって逢ってみたら…、俺も姫ちゃんの事が忘れたくても忘れられないや。俺もまだ好きって感情が残ってるよ。」
「ホントに私なんかでいいの?もしかして他に気になる人でもいるんじゃない?」
改めて女性の感って凄いと思った。
「いや、もういいんだよ。俺の隣にはこれから先姫ちゃんがいてくれるんだから。俺は姫ちゃんが好きなんだよ。これからも厳しい事とか待ち受けてるかもしれないけど二人で力合わせてどんな試練も乗りきっていこうね!改めて、よろしくね姫ちゃん。」
「嬉しいよ…。ありがとう。これからも二人で頑張ろうね!私はあなたが大好きです。もう絶対離れないからね。」
私は彼女のその言葉を信じ、受け止め、真に受けた。
後はアユちゃんの事だ…。私はメールをした。
【ごめん、急用が出来てしまって今日一緒にお祝い出来なくなってしまった…。本当にごめんね。】
【そっかぁ…。でも私なら大丈夫だよ!また今度誘ってね。誕生日覚えててくれただけでも凄い嬉しかったよ!またね。】
私は酷い男だ…。アユちゃんはああ言ってくれてるが、本音は寂しいにちがいないだろう…………。私はメールをした後、本当に申し訳ない事をしてしまったと感じていた。それに…、アユちゃんとは現時点ではもう付き合う事すらなくなった。私には姫がいる……。それが現実だ。
私は後ろめたしい気持ちと、また姫ちゃんとお付き合いできる気持ちで訳がわからなくなった。
自分のとった選択は間違いなのか?それも今となっては…………………………。
姫と再び付き合う事になったのだから、今日からまた彼女の事を今まで以上に好きにならなくては…。好きになってみせる!
そしていつか必ず幸せを勝ち取るんだ!これからはそれぐらいの気持ちで姫ちゃんの事を好きにならなきゃアユちゃんに申し訳ない。私はそう決意し、姫ちゃんとの新たな境地を目指すのだった。