夢物語
夜空の下、二人とも裸で露天風呂に浸かりながら私達は話しを始めた。
「なんか夢みたいな場所だねここは…。上を見れば満天の星だし、横を見れば夜景が見れる。」
「私ね、昔っからの夢だったの…好きな人とホテルのスイート泊まって優雅な一時をおくること。今日はラブホだけど、あなたのおかげで一つ夢叶ったよ。」
「優雅な一時は、まだ始まったばかりだよ、これからでしょ!」
そう言って私は彼女を後ろから抱きしめる。そして彼女も私にもたれ掛かる。
「私、幸せだよ。あなたに出逢ってなかったら、多分こんな贅沢なんて何年たってもできやしないもん。」
「そう?ならいいけど。俺も姫に出逢ってなかったら今頃どうしてたかな……」
「あなたはきっと幸せな生活を送ってると思うよ。結婚もして、子供がいたかもよ…。」
その言葉を聞いて、私は袖にあるビールを一気のみした。
「そうかね?なんでそう思ったの?」
「だってさ、もし私と出逢ってなくたって、あなたならすぐ恋人ぐらいできるもん。あなたの性格をわかってくれる人なんていたら、すぐだよすぐ。
私が言うのもおかしいかもだけど、人に対してここまで優しくなれる人間なんてそうそういないと思うんだ。でもあなたは意識しなくても普通にそれが出来ちゃうんだもの。そうそう人、私が知ってるなかで、あなただけだもん。」
「そう?前も言ったけど別に俺としてみればそれが自然体なだけなんだけどね。俺、ぶっちゃけモテないし、モテ気なんてすぎちゃったみたいだしさ…。」
「そうなの?なら安心だね。私だけのあなただね。浮気とか絶対しなそうだし。私だけを見てくれてるもんね。」
そう言ってくれるのは嬉しいけど、私の想いに応える事が出来ないのが彼女だ。なんとも複雑だ。
お酒も大分まわってたし、私はちょっと強気にでてみた。未だに私は彼女を背中から抱きしめている。なので顔は見えない。
「あのさぁ、俺は将来何年かかってもいいから姫ちゃんと結婚したいんだよね。それが俺の夢なんだ!今は姫がその想いに応えられないのわかってる。だからさ、俺はずっとその日まで待ってるからそしたら俺と結婚しよ!」
私は彼女の誕生日に心の内を全て打ち明けた。今の私に出来る精一杯の事だ。
彼女は私に、もたれながらこう答えた。
「正直に思ってる事言うね…。私はあなたにそう言われて凄く嬉しいの。
こんなに真剣に私の事想ってくれる人はいないと思うし、少なくても過去にはいなかったよ。
でも…わかってると思うけど、今はまだその想いに応えられないのが現状なの。そして、もしかしたらその時が来ないかもしれない。それでもあなたは待ってるの?
私と一緒にいる限り自分が不幸になるかもしれないんだよ?でも私は責任とれないかもしれないじゃない。それでも私と一緒にいれる?
この先私があなたの事嫌いになるかもしれないよ?そしたらどうするの?」
珍しく彼女が長々と想ってる事を語った。
「そしたらそれでいいと思う。嫌われたら仕方ないし、また好きになってもらうように俺は努力すると思うしね。
だから微かな希望かもしれないけど、俺は一緒になれる日を夢みて待ってるよ。だから…、この先もずっと付き合って行こうよ!
喧嘩とか、他にいろんな問題がまだまだ出て来ると思うけどそしたらお互いに力合わせて乗り切って行こうよ!俺は姫の事を一緒懸命支えてみせるよ。」
「わかった…。何が出来るかわからないけど、私も頑張って、その時がくるように努力してみる。
私を見付けてくれて本当にありがとうね……。」
他にも色々な事を私達は夜空の下で語り合った…。
今まで長かったけど、今日でお互いの気持ちを心をわって話せて良かったと思う。
これで私達は心も身体もやっと一つになれたのだ。
お互いの目指す場所は一緒なのだ。
私達は夜景を堪能して、ベッドに向かった。
私は彼女をお姫様抱っこしてベッドまで運ぶ。
そしてその日は二人で甘く激しくお互いを求めあい、何度も何度も燃え上がった………
この先に、幸せな未来が待っているにちがいない。
どのくらいの月日がかかるかはわからないが、それまで私は彼女の事を愛し続けていこう………。
私は、私の腕枕で隣で寝てる彼女をみてそう決めた…
俺がもっともっと頑張らなきゃな。俺が絶対に彼女を幸せにするんだ。
そう考えてるうちに私も眠りについた。
夢の中でも逢いたいな……