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夢見る心  作者: 姫姫姫
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彼女の誕生日その1

姐御との別れもあり、私は仕事に対して覇気がなくなっていた。周りのパートさんからは姐御と私は付き合っていた物だと思われていたらしく、姐御が辞めた後散々何かあったの?って質問が後を絶たなかった…。



周りからはそんな風にみられていたなんて全然わからなかった。姐御と私はそういう風にみられていたんだとその時初めて知った。

懐かしい昔話である……。




お台場デートから少し時間は進み、今の時期は7月。7月というと彼女の誕生月である。

今まで一度も彼女の誕生日の事についてふれていなかったので、その話しを少々書きたいと思う。




まず、誕生日といっても、その人それぞれに祝いかたが違うと思う。私と彼女も特殊な関係だからこれが以外と難しい。私の誕生日だったらどうとでもなるのだが、彼女のほうはそう簡単ではない。なんせ家族があるから当日はもちろん逢えないし、運が悪く彼女の誕生日当日には子供が夏休みに入っていて前後に逢う事も難しかった。



なので私達は一週間早めだったり、一週間後らにお祝いをしていた。早かったり遅かったりでなんともパッとしないが当時は仕方がなかった。


そんな中、付き合ってから初めての彼女の誕生日祝い。



私は誕生日プレゼントでいつも迷ってしまう。なのでその時に彼女の欲しい物があればそれをプレゼントしていた。

初めて彼女に買ってあげたプレゼントは現実的すぎて印象が強く今現在でも忘れもしない。




「姫ちゃん、初めての誕生日だね。何か欲しい物ある?俺に買える物なら何でもいいよ!」




「ん〜……。ホンッットに何でもいいの?」




「もちろんでしょ!そのための誕生日プレゼントだしね。何がいいの?」




私は予想をいくつかたててみた。

アクセサリー類、大好きな洋服、靴、ブランド物…、まぁ、おおよそこんなところだろうと思っていた。




が、彼女の欲しい物はそのどれでもなかった…。




「じゃあさ、とりあえず家電量販店に連れてって!」



何ですと!?家電量販店?この当時は今みたいにデジカメやiPodなどはまだそこまで復旧されてなかった時代だ。もし現在に家電量販店といわれたら、それらを連想するのだが……。



「オ、オッケー…。家電量販店だね。なんだか意外でビックリだよ。」




「だって何でもいいんでしょ?だから今丁度欲しかったのがあるんだよねぇ〜」



私は、おっかなビックリしながら家電量販店に車を走らせた。

いったい彼女は何が欲しいのだろう………。多分MDウォークマン?かなと思っていた。




頭の中で家電量販店に売っている商品を考えてるうちに目的地に到着した。




「さぁ着きましたよ。いったいお姫様は何が欲しいのか検討がつきませぬ。」



「ふふふ。まだ内緒っ!」


彼女が先頭をきって目的の商品売り場に向かう。途中…。

あら?オーディオコーナーはスルーなの!?じゃあいったい何が目的?

そして彼女が、あるコーナーで足を止めた。どうやらみつかったみたいだ。




「ん!?これ?」



「そうだよ!私が欲しがってた物はこれなの。いいかな?」



「う、うん。いいよ。でもこういうの旦那さんの相談なしに勝手に買ってしまっていいの?」



「いいのいいの。なんか言われたら壊れてからって言えばいいよ。あの人の事はどうでもいいの。

それよりどれがいいかなぁ……。できれば見た目もコンパクトでオシャレなのがいいよねっ!後はパワーが強いのがいいなぁ。」



彼女が欲しかった商品は、もうお分かりだろうが掃除機だったのである。

普通ならば誕生日にはこういう物は買わないと思っていたが、彼女は日常であれば主婦なので、そういう選択もありなんだろう…、さすがである。

でも私的にはちょっと複雑だった。今回は初めての誕生日プレゼントだからおおめにみるが、次回からはこういうのは絶対嫌だと思った。だって私はそれを買ってあげれるが、彼女がその商品を使うところを実際見ることは不可能だし、家族のために掃除をするわけで私にはなんら関係がないのである。

どうせなら一緒にいられる時に身につけてたりと、目に見える物がいい。




「あ!これいいなぁ。コンパクトだしオシャレなデザインだ!これがいいと思うんだけどどうかね?」



「それが一番良さそうだね。いいと思うよ。」




「じゃあこれで決定!ホントにいいの?」



「いいよ!買ってあげる。他にはいいの?」



言わなきゃよかった…。

でも当時の私は言ってるんだよなぁ………。


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