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夢見る心  作者: 姫姫姫
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依存度

少しの沈黙をへて、私が喋った。



「ごめんね姫ちゃん…。姫ちゃんは俺の事まだ思っててくれたのに、俺は勝手によかれと思ってあの車を選んでしまった。本当にごめん…。俺さ、車必ず代えるよ!だから…、そしたらまたやり直せないかな?」



私は馬鹿だ…。まだ半年もたってない愛車を彼女とやり直したいためだけに代えると言ってしまった。今思うと本当になんて事をしてしまったのだろうと思う。その時に彼女との関係を終わりにすればよかったのだと思う。

でも…、その時の私は車さえ代えれば彼女とやり直せるんだ!という安易な考え方しかできなかった。それ程までに彼女の事が欲しかったんだと思う。



「でもさ、まだ買ったばかりなんでしょ?大丈夫なの?凄い乗り心地良くて気に入ってるじゃん。それなのにホントに出来るの?」



「出来るよ。俺は姫のためなら何でも出来る。たかが車を代えればいい話しでしょ?」



「たかがって……。そんなに簡単な事じゃないんじゃない?周りの目だってあるんだよ?なんてみんなに説明するつもり?私とやり直せるからって言うの?そんなのは絶対ごめんだからね!いいんじゃない?このままさよならでさ…。私、これ以上あなたに辛い想いさせたくないよ。だから、いっそ…」



私は彼女の言葉を遮った。


「いいんだよ!みんなには適当になんとでも言える!みんなより姫の方が俺には大事なんだよ!この気持ち少しはわかってよ!もう決心したんだ。車は姫の好きなのにする。」





こうやってこの文面を書いていると、当時どれだけ自分が愚かだったか、そして彼女の事になると周りが見えなくなり暴走していたかが痛い程今の自分に返ってくる。書いていて、とても辛い時がある。文面上では私は友さえも裏切ろうとしている。辛い時に私を支えてくれるのは親でもなく彼女でもなく、友という絶対無二な存在なのに………。私は最低な人間だ、最悪な悪魔だ……。そう思えてきてしまう。でもこれからも、辛くても書き続けていきたいと思っている。




話しを元に戻すが、私の言った事に対して彼女の反応は………。



「わかったよ…。もうわかったから。気持ちは凄い伝わってきたよ。だから今度は私が待ってるよ。あなたがちゃんと車代えてくれる日までずっと待ってるから。だからさ、今日はこれで終わりにしよう。あなたが私をどれだけ想ってるかなんて知ってるつもりだし、ごめんね……、ホント嫌な女だよね私…。自分でも最低だと思う。」



「ううん。俺は全然そんな風には思ってないよ。姫は俺にとっては誰が何と言おうと最高の人だよ。俺のほうこそ車の事、本当にごめんね…。せっかく今日は色々とこの後の事も考えてくれてたのにさ…。必ず車代えて迎えに行くからね!」


「わかった。連絡待ってるからね!それまでは、またさようならだね。じゃあ今日はこれで。またね。」




彼女は本当に実家に帰って行った。



私はこの後、本当に車を買い替えた。私の貯金は底をつき、少しだがローンも背負った。それもこれも全て彼女とやり直したいからだ。


私は彼女に依存しすぎている。わかっているのだが、そのおかしな行動はまだまだとまらない。ホントの私はどうしたいんだろう…。旦那、子供持ちで結婚も出来ない人に人生を捧げてしまっている。



完全に姫依存症だ………、この頃が1番依存度のピークだったと思う。


今の私から過去の私に言ってあげたい………。お前は長い間、タチの悪い風邪を引いているだけだよ、早くワクチン打って現実を見直してみな…、世間は広いし恋愛したいなら、彼女じゃなくたっていくらでも出来るんだぞって……。




そして一ヶ月後、私は彼女の好きな新車に乗り換え、彼女と対面の日を迎えた…


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