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夢見る心  作者: 姫姫姫
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薬指

彼女のその行為はなんども続き、私はかなり飲まされてしまった。



「大分いい感じかなっ?」


そう言うと今度はお酒の代わりに舌を何度もねじ込まれる。お酒の効果も相重なって私はそれだけでトロンとなってしまった。気持ちがとてもよくなって、今にも溶けてしまいそうになる。その後も彼女の攻めは、やむことがなくどんどんエスカレートしていく。三年付き合っていて、それなりにエッチはしてきていたが、まだ私の知らない、とてもエッチな彼女がいる。まだまだお互い楽しめそうだと思っていた。



「どうだった?気持ち良かったかな?私もかなり興奮しちゃってて、今日はいつもより凄く良かったよ!」


「俺もヤバイくらい興奮しちゃって理性吹っ飛んでたよ。なんか今日は野生化してたみたいだもん。姫ちゃんは、まだまだ色々凄いひきだし持ってるんだね!もう最高だよ。」



「エヘヘっ。でも、今日は特別サービスだよ!毎回はしてあげられないからねっ。いままで私のワガママでいっぱい迷惑かけてきたし、記念日だから最高のサービスで気持ち良くなって欲しかったんだぁ。」



凄い嬉しかった。ただ、私は自分の事を凄い単純だと改めて思った。自分で言うのもおかしいが、今まで散々な事にあってきた。それをたった一回いい思いをさせて貰ったら今までの事を簡単に許せてしまう……。

よく女性陣は男ってホント単純だよね〜。と言う言葉を聞くと思うが、まさに私もその典型的な男の一人である。



実は私は今日の記念日のために前から少しずつ貯金していた。彼女に今までプレゼントも、もちろんしてきたが、四年目に突入する事もあって二人にとって何か特別な物が欲しかった。



「あのさぁ、ん〜と…。」


「何?もう一回?少し休もうよぉ。激しかったから痛くなっちゃった。チュッ」


彼女はエッチの事だと思っているみたいだ。可愛らしく私のおでこに軽くキスをしてきた。



「いや…、もちろんしたいのはしたいけど、そうじゃなくてね…。」



「じゃあなぁにっ?」



なんとも可愛らしく私を見つめてくる。恥ずかしいがノックアウト寸前だ…。



「左手出して。」



「!?何するの?なんか怖いんだけど…。痛いのは嫌だよ。」



私は彼女がトイレに行っている間に枕の下にプレゼントを忍ばせていた。



「これ。四年目入ったから俺からのプレゼント。物が物だから、ちょっと気持ち的に重く感じてしまうかもしれないけど…。」



「えっ!?指輪なんてどうしたの?いつのまに買いに行ってたの?休みの日は私と逢ってたのに…。いいの?」



「うん、いいよ。姫ちゃんに似合うと思って買ってきたんだ。逢えない日に仕事終わってから何回か通ってこれに決めたの。どうかな………?やっぱ指輪じゃ重すぎるかな?貰ってもつけられないし迷惑だよね…」


私も考えて悩んだ末、結局指輪を選んだのだが、彼女には家庭があるし、指輪なんて貰っても普段つけられないのではないかとわかってはいたが、私はどうしても指輪を付けて欲しかったのだ。幸いな事に、彼女は旦那からの指輪を普段からしていない。



「迷惑なわけないでしょ!凄く嬉しい………。その指輪、はめてくれる?」



「サイズ合うかなぁ…?かなり心配なんだけど…。」


私は彼女の左薬指に買ってきた指輪を恐る恐るはめてみた。結果は………。



「わぁぁ。ぴったしだ!、私の指のサイズわかってたの?この指輪、凄くデザイン可愛いね!私、こういうの凄い好きなの!本当に嬉しい…。グスッ…グスッ」


「泣かないでよ。それに、まだ終わりじゃないよ。俺にもはめて。」



そう。私はペアリングを購入したのだ。彼女の左薬指に指輪がないのは前から知っていた事だから、もしかしたら私が買った指輪ならしてくれるかもと思って指輪をプレゼントしようと思ったのだ。それに、この指輪で二人の関係をお互いに意識しあえるようになればいいなと考えていた。



「この指輪、ペアなの?超素敵!最高だよ!私、今日からこの指輪ずっとするね!はいっ、あなたにもはめてあげる。……本当に嬉しくて涙がとまらないよ…」


彼女は本当に嬉しそうな表情を浮かべながら泣いている。そして、何度も何度も私がプレゼントした指輪を涙を流しながら眺めている。本当に気に入ってくれたみたいだ。



「良かった…気に入ってくれたみたいで。内心、超ビクビクしていたよ。でも、姫の嬉しそうな顔みてホッとしたよ。ありがとう、姫ちゃん。これからはさ、逢えない時、ツライ時、寂しい時、その指輪見て俺の事思い出してね!これでうちらはいつも繋がってるからね。大好きだよ、姫ちゃん。もう泣かないで。」



「ヴワーン……グス……、ありがとう…、ありがとう……。こんな…私なのに、あの時…あなたを裏切ったのに…私、あなたに応えられないのに…。」



私は…、彼女を引き寄せて、力の限り抱きしめた…。


「いいから、その事はもういいから。たとえ、今一緒になれなくとも、時期がきたら一緒になれるかもしれないでしょ!だから…俺はそれで十分だよ。すくなくとも今は隣にいてくれてるし、こうやって愛しあえる。それだけで俺は幸せなんだ。だからさ、あんまり自分を責めないでよ!俺は十分幸せだから。」




私達は再度お互いの想いを確認できた。今日からまた頑張って生きて行こう。私には、結婚は出来ないかもしれないが今隣には最愛の人がいる。それでいいじゃないか!【結婚】という言葉は心の奥底に鍵をかけてしまっておこう。…………………………………………今は…そういう恋愛でもいいじゃないか……私は……何度も自分自身にそう言い聞かせた。


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