その後…
時刻は深夜3時過ぎぐらいであろうか。私達はお互い泣いたりして疲れていたので宿に向かった。
「とりあえずこの辺のホテルで休もうか。もう日の出が近いし、お風呂入って一緒に寝よ。そして起きたらこれからの事考えよう。」
「そうだね。私も泣きすぎて目は腫れちゃってるし、もうスッピンだし。お風呂一緒に入って、洗いっこして一緒に寝たいなぁ。」
私達はホテルに入った。入室してまず私はお風呂にお湯をはりにいく。彼女は、よっぽど疲れていたのかベッドに横になってぐったりしていた。とりあえず私はお酒を冷蔵庫からだし、飲む準備をしていた。
「お風呂、もうそろそろいいみたいだから軽くビール飲んだら一緒に入ろ!ほら、姫ちゃん起きて!」
私は彼女を起こしてビールを口移しで飲ませてあげた。ある程度アルコールも入って、いい感じになってきたので二人で風呂に入って洗いっこをして風呂を出る。二人とも余程疲れていたのか、髪も乾かさず、裸のままガウンも羽織らないでベッドに横たわった。私達は布団に入り、私は彼女に腕枕をして軽くキスをした。
「おやすみ、愛してるよ姫ちゃん!」
「ねぇ………。して。今は凄く…して欲しいの。だから…寝るまえにいっぱい愛して…。」
私は何も言わず彼女の言う通りに彼女を抱いた。いつも以上に長いキスをして、今回は特に優しくしてあげた。耳元で少し言葉をかけたりすると、彼女の身体もいつもより感じてるみたいでビクンビクンと波打つ。
「今日は凄く優しいんだね…なんか、あなたの気持ちが全身に凄い伝わってくるみたい…暖かくて気持ちいいよ………もっとして…何もかも忘れるぐらいもっとして……。」
「うん…本当に愛してるよ。俺も凄く気持ちいいよ。これからはずっと一緒だよ……。」
彼女はまるで、初めてするかの用に身体を悶えさせてクネクネしている。そして、なんとも妖艶な激しい声をあげながら絶頂を迎えた。
「どんな事があっても俺が傍にいるからね。」
「うん。信じてるよ……」
私達は抱き合いながら眠りについた。
ここまでは本当に良かったんだ……。幸せだった。これから一緒になるはずだったのに……。私の理想は一本の電話で脆くも崩れ去る事になる。
私達が抱き合ったまま眠りについてから、しばらく時間が経過する。
突如、携帯の着信音が部屋になり響く。私は眠い目を擦りながら起きた。どうやら私の携帯ではないみたいだ。彼女はまだ寝ている。私は寝ぼけた状態で彼女を起こす。
「おはよう。起きた?」
「眠いよぉ。何かあったの?まだ寝ていたいよ…。」
「なんか姫の電話鳴ってるんだよ。」
「取ってぇ。…!!!!」
彼女の表情が一変したのがわかった。
「誰?旦那?子供?」
「お母さんだ…。どうしよう………。」
彼女のお母さんからの電話で事態は急変する。そして私は昨日の夜の出来事が、ただの独りよがりだった事に気づくのである………