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運命力ゼロの悪役令嬢  作者: 黒米
第1部 ■■■■■■■■■ 第1章 運命の象徴

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2. 運命に愛された少女

前回のあらすじ

・『運命力』発表。

・街ざわざわ

・王族ひそひそ

・クラリスわかんない

・いざ、測定へ!

ヴェルディア邸の朝は、いつもより静けさが増していた。

銀の燭台にはまだ火が灯されておらず、窓から差し込む光が食卓を淡く照らす。


クラリスは鏡の前に立ち、銀髪を丁寧に編み込んでいた。

傍には、彼女がいつも大切にしている懐中時計が留められている。


支度が終わり、朝食をとるために食卓に向かうと家族が揃っていた。

父は、クラリスを見つめながら言った。


「今日は我が一族にとって、重要な日になる。」

その声には誇りと期待が滲んでいた。


母は微笑みながらも、どこか不安げだった。

「緊張しなくていいのよ。あなたはあなた。数値がどうであれ、それは変わらないわ」


だが、その言葉がクラリスに届いているかは分からなかった。


セレナは、明るい声で言った。

「姉様、きっとすっごい数字が出るよ」


無邪気な妹ねと思いながら、朝食をすます。


玄関前には、黒塗りの馬車が待っていた。

王都ルミナスの紋章が刻まれた扉が、朝の光を受けて鈍く輝いている。


父とクラリスが馬車に乗り込む前に、クラリスは家族を振り返った。

母は静かに手を振り、妹は少しだけ唇を噛んでいた。


馬車が動き出す。


*


窓の外には、王都の街並みが広がっていた。

石畳の通り、開店準備をする店主たち、広場の掲示板には昨日の講演の見出しが貼られている。


「運命力理論、王国制度に導入か」

「本日、一部貴族が試験的に測定か」

「低運者は未来を選べるのか?」

「誰でも簡単!運命力の鍛え方」


クラリスは窓の外を見つめながら、遠くにそびえる王立ルミナス学院の塔を見つけた。

空高く、そびえたっている。


馬車の中は静かだった。

静かなまま、王都へと進む。


*

王都ルミナスの中心にそびえる王立ルミナス学院。

その石造りの塔の前に、クラリスを乗せた馬車が静かに停まった。


朝の光が塔の尖端に反射し、空気は張り詰める。

玄関前には、測定官と技術者たちが待機していた。


黒衣に銀の紋章をつけた男が、無言でクラリスに一礼する。

父が先に降り、クラリスの手を取って馬車から導いた。


「緊張することはない。お前は私の娘だ。」

父の声には誇りと確信が滲んでいた。


アカデミーの内部は静かだった。


廊下の壁には脳波グラフと量子場の解析図が並ぶ。

空気は冷たく、無機質だった。


クラリスは測定室へと案内される。

部屋の中央には、球体型の測定装置が鎮座する。


淡い光を放つその装置の前に、白髪を後ろに束ねた男が立っていた。

Dr.エルンスト・ヴァルム。先日見た運命力理論の提唱者であり、王族直属の科学顧問。


「ヴェルディア家の娘か」

ヴァルムはクラリスを一瞥し、無表情のまま装置に視線を戻した。

「すぐに終わる。座りなさい」


クラリスは椅子に座り、装置の中心に頭を預けた。

銀髪が光に照らされ、淡く揺れる。


技術官が淡々と準備を始める。

「脳波安定。量子揺らぎ、同期開始」

無機質な声が響く。


装置が起動すると、空間に光の波が広がった。

脳波と量子場が共鳴し、空気が震える。


数秒の沈黙の後、装置の上部に数値が浮かび上がる。


「運命力:94」


室内の空気が一瞬で変わった。


助手がメモを取り始め、技術官がざわめく。


「94…王族は95以上でしたが、これは王族並の数値です」

「ここまでとは…」


父は目を見開き、クラリスの肩に手を置いた。

「見たか。やはりお前は私の自慢の娘だ」


ヴァルムは一歩前に出て、数値を見つめた。

「興味深い。ただの貴族でここまで高い数値とは。それになかなか面白い波形だな」


クラリスは周りの反応にただ呆気に取られていた。


*


その頃、測定室の上階では、速報が通信局に送られていた。


「速報:クラリス・ヴェルディア嬢、運命力94を記録」


クラリスの名前は、瞬く間に王都を駆け巡った。


読んでくださりありがとうございます。


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