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ワンワン吠える賢い犬

 一件契約の取れた私はバーで祝杯をあげていた。久々に取れた契約であり、これで上司に褒められると思うとついつい杯が進んでしまう。

 気が付くと私の隣に一人の男性が座っており、一緒に酒を飲んでいた。話を聞くと近所にペットとともに住んでいるらしい。


「実に賢い犬でしてね。人に対して吠えたことなど一度もないのですよ」


 写真を見せてきながら男性はそんなことを言う。実に可愛らしい犬で、そんなに大人しいのなら私もぜひ会ってみたい、できる事なら撫でてみたいと言うと男性は嬉しそうな表情をして私を彼の家へと案内し始めた。


「ワンワンッ!」


 しかし彼の家に着くと、その犬は私に向かって盛んに吠えてきていた。男性は首を傾げながらしきりに恐縮し、普段ならこんなことはないのですけどとオロオロしていた。

 可愛い犬を撫でられられないのは残念だが仕方ない。


「犬にも相性がありますからね。仕方ないですよ」


 男性は盛んにすいませんねと頭を下げていたが、私は気にしないでくださいと言って家に帰る。


「それにしても本当に頭の良い犬だったなあ」


 地獄にある自宅で寛ぎ、隠していた羽と尻尾を伸ばしながら私は一人そう呟いた。

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