序章 †現れし侵略者†
命暦二〇二五年、十月一日──ヴァリアール王国。
総人口およそ三億人のこの国は、様々な種族が生きるこの惑星で最も多くの種族が共存しており、世界的にもその過ごしやすさはトップクラスと評される、先進大国である。
その西方に位置する都市・ウートゥラーは、ビルが建ち並び人口は四十万人を超える、地方にしてはかなり栄えた街だが──今現在、未曾有の窮地に立たされている。
数十分前──正午を回ったこの街の中心部の地面が突如として崩落して巨大な穴が出現。そこから這い出てきた無数の化け物たちが侵略を開始したのだ。
ゴブリンやオークのような人に近い姿をしたものから、オオカミやトラなどに似た獣型のもの、巨大な猛禽類のようなものまで、様々な姿の化け物が、軍隊のように統率された動きで人間だけを襲っている。
戦う力などない住民たちは恐怖し、逃げ惑うことしかできない。
「皆さん落ち着いて!車は使わず、直ちに避難を!」
イヌの顔を持った獣人族と思しき警察は、避難誘導によりできる限り穴から人を遠ざけようとするが。
「うわあああっ!」「ダメだ!もうこっちの道にも化け物が……!」「ぎゃああっ!!」「おい何してる!?早く進めよ!」「無理だって!」「ちくしょう……どうすりゃいいんだよ!」
すでに化け物は街中に散開し、逃げ場はない。
軍隊も出動して交戦しているものの、通常の銃火器で対抗できるのは小物の雑兵だけで、大型の化け物にはほとんど通用していない様子だ。戦車などの兵器ならばあるいは効果があるかもしれないが、住民たちが大勢取り残されている現状、そんなものを使用できる筈もない。
「きゃあああっ!た、助けてぇっ!」
逃げ遅れた幼い少女が二体の獣型に襲われ、壁際に追い込まれる。
だがそんな悲鳴もこの状況では誰に届くこともなく、仮に届いたとしても無力な者たちには助けることなどできない。
獣型は容赦なく飛び掛かり、無惨にも少女はその血生臭い牙の餌食となった──かに思われたが。
「大丈夫か?ガキ!」
「え……」
粗暴な女の声に少女が顔を上げると、目の前で獣型は激しい炎に包まれていた。
それはやがて灰になり、塵となって消えていく。
そしてその奥に立っていた、声の主の姿が少女の目に届く。
黒いセーラー服を着た、齢十八ほどの女。
ポニーテールでまとめられた燃えるように赤い長髪を、炎によって生まれた逆風に靡かせている。
整った顔立ちに、すらりとしたモデル体型。普通に立っているだけで下着が見えそうなほどに短くしたスカートがその脚をさらに長く見せる。だがよく見ればその四肢はかなり筋肉質で、恐らくはセーラー服の下にも屈強な肉体が隠されているのだろう。全身には無数の傷痕があり、多くの戦いを経験してきたことが窺える。
その左手から立ち昇る煙を見て、獣型を焼いた炎を操っていたのはこの人なのだと、少女は直感した。
「危ないなカガリ……女の子に当たったらどうするんだ」
その隣には対照的な純白のブレザーを着た、黒髪の青年が立っていた。歳は女と同じか、少し若い。
「うっせえよ!あたしがそんなミスするわけねえだろ!」
カガリと呼ばれた女はそう言い返すと、くるりと踵を返し、他の化け物を見つけて再び駆け出した。
その仲間と思しき青年は、襲われていた少女の近くへ歩み寄る。
「大丈夫か?ちょっと寒いかもしれないが、ここに隠れててくれ」
優しく声を掛けると、少女の周りを囲むように、氷の壁が出現した。
「な、なにこれ……!」
「俺たちは"十勇"の末裔だ。一応、戦う力を持ってる」
青年は怯える少女を安心させるため、腰を低くして目線を合わせながら、笑顔で端的に伝える。
「しゃあっ、次だコラ!!どうしたどうした!!こんなもんか!?こんなんじゃ修行相手にもなりゃしねえぞカスどもがッ!!」
「…………」
そのすぐ後ろで、歯を剥き出しにして楽しそうに返り血を浴びながら化け物たちを焼き尽くしていくカガリを見て、少女は悪魔でも見るかのように怯える。
「すまん、アイツはちょっと血気盛んなだけで悪いヤツじゃないんだ……」
やれやれと言ったふうにため息を漏らすと、青年も立ち上がり。
「さて、じゃあ俺も行ってくる。この敵の数じゃあ全部守り切れるか分からないが……やるだけやってやるさ」
「オイオイ弱気だな、レイジ!そんなんじゃガキも安心できねえだろうが!心配すんな!あたしが全部ブッ飛ばしゃ、それで終わりだ!」
化け物たちを蹂躙しながら、カガリは自信満々に吠える。
「まったく、乱暴なヤツだ……でも確かにそうだな。大丈夫だ、安心してくれ。俺たちが必ずこの街を守ってみせる」
レイジと呼ばれる青年も覚悟を決めた様子で、カガリを追って戦場へと駆け出した。
それから二人は炎と氷の力を駆使して、焼き払い、氷結し、燃える拳で殴り、鋭い氷で斬り裂き。
化け物たちを怒涛の勢いで倒していく。
「あの二人、十勇の末裔か……!総員、彼らを援護せよ!」
軍隊も二人の活躍に気付いたようで、二人の行く手を阻む邪魔な雑兵を攻撃し始めた。
「お、いいねえ!雑魚は任せるぜ軍人さん!レイジ、あのデカブツぶっ飛ばすぞ!!」
「ああ!」
二人の前に立ちはだかるのは、五メートルほどの巨体を持ったオークのような化け物。
「"激烈紅蓮拳"!!」
カガリは技名を叫びながら、拳に一際大きな炎を纏って飛びかかる。
レイジもオークの足元に手をかざし、そこから氷を作り出していく。
咄嗟にオークは氷を振り払おうとするが、それより速くカガリの拳が顔面を襲う。さらに追い打ちをかけるように、下から突き上がる巨大な氷の槍がその胴体を貫いた。
「いっちょ上がりぃ!」
これまで軍隊が一切太刀打ちできなかった大物をも簡単に撃破し、士気は上昇していく。
が、そんな反撃の狼煙を掻き消すがごとく。
「ヒィッ……またデカいのが出てきたぞぉっ!!」
「総員、退避ーっ!」
街の中心の穴から現れたのは、巨大な腕だった。穴の淵を掴んで、その腕の主である途轍もない巨体が、徐々に這い出てくる。
「何だよアレ……冗談だろ……!」
「もうおしまいだ……」
それを目にした兵士たちは怯んで動きが鈍り、その隙をついて化け物たちが襲い掛かり、さらに犠牲が増える。
それは恐らく二十メートルはあろうかという、トラとゴリラを融合させたかのような姿の怪物だった。頭には大きな二本のツノが生え、後ろには太く長い尻尾も見える。
そのまさしく絶望的な姿を前にして、もはや命を諦め立ち止まる者や、天に祈りを捧げ始める者も見受けられた。
「何だありゃ!?でけえなオイ!」
前線で戦うカガリも、思わず呆気に取られる。
「我が名は、魔獄王ライザー!!この地上の全てを手中に収める者なり!!」
巨大な怪物は腕を組んで民衆を見下しながら、地鳴りのような大声で名乗りを上げた。魔獄王──どうやらこの侵略者たちの親玉らしい。
「喋れんのかよ!?面白ぇ!行くぜレイジ!アイツを倒しゃあこの戦いも終わんだろ!」
カガリは王と聞くやいなや嬉しそうに笑みを浮かべ、ライザーの方へ一直線に走り出した。
「ったく……戦いを終わらせたいヤツの顔にはとても見えないな」
レイジもそれを追う。
実際のところ、二人の力を持ってしても街全体に解き放たれた化け物たちを全て抑えることは不可能だった。今もなお各所で住民は襲われ続けている。
だが、親玉が出てきてくれたとなれば話は変わる。頭を潰せばそれに操られる雑兵も戦意を失うはずだ。
「ふむ……羽虫が二匹、我に歯向かってくるか」
ライザーもカガリたちに気付いたらしい。化け物の群れを差し向けた。
あっという間に二人は周囲を取り囲まれ、さらに上空にも鳥型の群れが集まり始める。
「やれ」
ライザーの命令と共に、化け物たちが襲いかかる。
「どりゃああああああっ!!」
カガリは雄叫びを上げながら火球を、レイジは氷弾を、それぞれ両手のひらから放ち──集まった化け物を一掃した。
「何……?人間の分際で、我が部下を瞬殺……」
「へっ、ちったあ驚いたかデカブツ!」
「貴様ら、何者だ」
ライザーは明確に"敵"と見做したか、二人へと視線を向け、問う。
「あたしはカガリ!カガリ・スパイラルだ!せっかく出てきたばっかで悪いが、穴ン中に帰ってもらうぜ!」
カガリは得意気に名乗り、次はお前の番だとばかりにライザーを指差す。
「カガリ……まさか"烈焔のカガリ"か?」
「あ?あたしのこと知ってんのか?」
「修行と称して各地で魔族に戦いを挑み、侵略の邪魔をする厄介な人間がいると、"魔獄"でも部下が噂していた」
"魔獄"というのが、どうやらこの化け物──魔族たちの住んでいる世界らしい。
魔族は数年前からこのヴァリアール王国の各地でたびたび出現している。カガリとレイジは旅をしながら、それを何度も追い払ってきたわけだが。
「まさかヤツらの中で噂にまでなってるとはな。まあさっきみたいに毎回お前が大声で名乗ってるから、然もありなんってとこか」
レイジはやれやれとため息を吐く。
「ハッ、そりゃ光栄なこったな!だったら話は早え!てめえにも、あたしの修行相手になってもらう!」
カガリは両拳に炎を纏わせながら、ライザーの元へ再び走り出す。
「フン、愚民が」
ライザーは腕を組んで仁王立ちのまま、目を瞑った。
「あぁ!?何だてめえ、やる気あんのか!?」
「無いな──我が貴様如きの相手をしてやる道理など」
「何──」
「カガリ!後ろだ!」
ほとんど目で追うことは出来なかったが、何かが高速でカガリの背後に接近しているのが見え、レイジは咄嗟に叫ぶ。
次の瞬間、カガリの頭上から巨大な鉄槌が振り下ろされた。
「っぶねえ!!」
レイジの声が届いたのか、カガリはギリギリのところで飛び退いて鉄槌をかわし、そのままの勢いで何度かバック転を繰り返してから立ち直る。
「気を付けろカガリ。アイツも相当な使い手だぞ」
「おう」
身の丈以上もある鉄槌を軽々と操っていたのは、メイド服を着たおかっぱ頭の少女だった。
パッと見では人間の子供とそう変わらないが、耳はゴブリンのように尖り、瞳は人間ではありえないほどに黒い。何よりその少女の放つ異様なまでの殺気から、それがこの世の存在でないことはきっと誰の目にも理解できるだろう。
「フフ……よくかわしましたね。本当にボクの動きについて来れる人が地上にいるとは驚きです」
地面に減り込んだ鉄槌を片手で肩に担ぎ上げながら、少女は不気味な微笑を浮かべる。
「何者だてめえ!いきなり不意打ちたあご挨拶じゃねえか!」
「ええ、ええ。ほんのご挨拶ですよ今のは。申し遅れました、ボクはB2。魔獄王ライザー様の右腕を担当させてもらっています」
B2と名乗る少女はそう言って鉄槌を担いだままお辞儀をする。
「魔族がこんな丁寧に話してると逆に気味が悪いな……」
レイジはこれまでに出会ったことのないタイプの敵に警戒を強める。
逆にカガリはほとんど動じず、これまで同様の威勢を放ちながら。
「へっ、敵を前にして頭を下げるたあ、随分舐められたもんだな!油断してっと──」
「おい」
「……え?」
さっきまでの朗らかな少女の幼い声からは想像もつかない低音が、間違いなくその少女の口から出てきたことに驚き、カガリたちは思わず硬直する。
「ボクが頭を下げてんのに……なんでお前らは突っ立ってるんだよぉぉ!!」
豹変。
まさにその言葉が相応しいだろう。街に蔓延る獣型の魔族のように牙を剥き出しにして、目を血走らせ、B2は怒号を放つ。
「人間如きがぁ……」
刹那、二人はB2の姿を見失った。その場に残されたままの鉄槌は支えを失い、そのままドスンと地面に落ちてアスファルトを砕く。
──どこだ?どこへ消えやがった……?
「かはっ……」
と、レイジの横で、何か硬いもの同士がぶつかるような鈍い音と共に、えずく声が聞こえ。
「なっ……!」
ようやく気付く。カガリはB2に首元を掴まれ、地面に叩きつけられていた。
「ボクを見下してんじゃねえぇぇ!!」
「くそっ!」
レイジはすぐさま力を発動し、鋭く尖らせた氷弾を手のひらに作り出して、B2に向けて飛ばす。
が、その氷弾が手元から撃ち出される時には既にB2の姿はレイジの視界から消え、そしてレイジの顔面を強い衝撃が襲った──かと思えば、さらに次の瞬間には天地が逆さまになって、後頭部をさらに強い衝撃が襲った。
「ぐあっ……!?」
──速すぎる……!
レイジは後頭部からドクドクと脈打ちながら大量に出血しているのを、自分でも感じた。反応できない速度で顔面を掴まれ、カガリのように地面に叩きつけられたことに、致命傷を負ってからようやく気付く。
──最悪だ……今までのヤツらとはレベルが違い過ぎた……!
「フフフ……それでいいんですよ。ボクを見下していいのはライザー様ただ一人」
B2は手を振って返り血を落としながら、もう終わったとばかりに二人に背を向けて離れていく。実際、二人はぴくりともせず、立ち上がることすらできそうになかった。
「さて、もう動けないみたいですし、トドメは頼みますね、ダークファイア」
「は?なぜ私が。貴様が遊んだのだから、片付けも貴様がするべきだろう」
ダークファイア──二人の今の体勢からではその姿を見ることすらできなかったが、さらにもう一人の魔族が近くにいるらしい。その口調からして、恐らくB2と同格の幹部だと思われる。
──魔獄にはこのレベルのヤツが何人もいるのか……?そしてこんなヤツらが従ってるあのライザーとかいう化け物……どうなってるんだ……これじゃあとても、人類に勝ち目は……。
レイジはその力の差に絶望する。
「はあ、しょうがないですねえ。わかりましたよ、ボクが片付ければいいんでしょ」
何やら口論が終わったようで、B2は再び倒れているレイジの方へ歩み寄る。今度は素手ではなく、あの鉄槌を持っている。完全に頭を潰して、息の根を止めるためだろう。
──クソッ……ここまでか。
「待てよ……誰が……動けねえだと……?」
「!」
レイジが横目にその声の方を見ると、カガリが立ち上がっていた。
レイジと同じく後頭部からは激しく出血し、口からも明らかに命に別状がありそうな量の血を吐きながら、震える全身をただ根性のみで動かしている。
──ああ、お前はそういうヤツだよな……最後まで絶対に諦めない。
「その傷でまだ動けるんですか」
「へっ……どうだ?驚いたかよ……?」
「ええ、そりゃあもう。この状況でまだ歯向かってくるほどバカだとは思いもしませんでしたよ、人間。力の差がわからないんですか?」
「さあ……どうだかな」
カガリは全力で虚勢の笑みを浮かべる。
「……ムカつくなぁその顔……言ったでしょ、ボクを見下すなって!!」
「くくっ、見下すなって……?そりゃあ無理な相談だぜ……だってお前、チビだもん」
「殺すッ!!」
完全に煽りに乗ったB2はレイジの前からカガリの方へと向きを変え、鉄槌を振りかぶりながら飛び掛かった。
──それを待っていた。
「はっ!?何だこれ!」
突如、視界が一気に白く染まる。
レイジの氷にカガリの炎をぶつけ、周囲に大量の水蒸気を発生させたのだ。
いかに化け物と言えど、咄嗟にこれに対応するのは至難の業だ。
「目眩しですか!ああもう、面倒臭い!こんなもの!」
B2は水蒸気を吹き飛ばそうと、鉄槌を大きく振り回す。
それこそがレイジの思惑だった。カガリがB2の気を引いている隙に、レイジは氷で作り出した鎖をあの鉄槌の先端に括り付けておいたのだ。
そしてその鎖は、レイジとカガリの体にも繋がれている。
B2があの馬鹿力で鉄槌を振り回すことで、二人も鎖に引っ張られて宙を舞う。
「ぐぅっ……!」
当然二人の体には途轍もない負荷が掛かる。
──苦しい……でも、確実に殺されるのをじっと待つくらいなら、少ない可能性に賭けたほうがマシだ……!
そしてその勢いに乗ったまま。
「今だ……カガリ!」
「おう!」
カガリの火で鎖を溶かすと。
二人はそのまま──空の彼方へと吹っ飛んだ。
「まったく、何をしているのだB2」
「うわっ」
B2は背後から吹いた突風に押され、咄嗟に鉄槌をアスファルトに突き立ててしがみついた。
その風により水蒸気は消え、視界が開ける。
「い、いきなり何するんですかダークファイア!」
振り返った先には、背に生えたコウモリのような翼を大きく広げ、側頭部には湾曲した黒いツノを携えた、まさに悪魔という風貌の女が立っていた。今の突風はその羽ばたきによって起こされたもののようだ。
執事のような燕尾服だが胸の部分は強調するように大きく開き、褐色肌にオールバックの長い銀髪を風に靡かせるその女──ダークファイアは、鋭い三白眼でB2を睨めつける。
「敵の挑発に乗りまんまと離脱されるなど、油断するにも限度があるというものだ」
「離脱……?あ……」
B2はそこでカガリとレイジが消えていることに気付き。
「も……申し訳ありませんライザー様っ!ボクとしたことが、なんたる失態……!いかなる処罰でも受けさせていただきます!」
ライザーの前に跪いて、涙目になりながら深く頭を下げる。
「フン、まあ良い。噂を聞いて警戒したが、やはり杞憂だった。所詮は人間……あの程度の雑魚ならば取るに足らん」
「あ、ありがとうございますっ!必ずや此度の戦いでライザー様のお役に立てるよう身を粉にして働かせていただきますっ!そして必ずや……あのゴミどもは、ボクが捜し出して殺しますっ!」
B2はその内心の怒りが形となったかのように全身に血管を浮かべながら、そう宣誓した。
その怒りを即座に見抜いたダークファイアは、厳しくも諭すように声を掛ける。
「次は精々その怒りに呑まれないよう気を付けろ。分かっているだろう?この戦いは貴様一人の戦いではないのだ」
それを聞いたB2は少しの沈黙の後。
「……分かってますよ。フフ……」
不気味な笑みを浮かべて、そう答えた。
ライザーは部下の言い争いには興味も示さず、その高い視線から街の景色を見渡し。
いや、あるいはこの世界そのものを見渡したのか。
そして告げる。
「さあ、征くぞ。地上を蹂躙し──我等の世界を取り戻す」
初投稿です!
よろしくお願いします!