第-3 始末の後始末
「2度と悲劇は起こさない、俺が誓ってやるよ」俺はそう子供達に言うと、ずいぶん驚いたような目でこちらを見てくる。なんだ?俺に惚れたか?
すると男児の方が口を開く。
「お兄さん、それ、ダサいよ」
そっちか〜、かっこつけて言ったけどやっぱダメかったか……「えーっと、まぁ、いいだろ?お前達を助けに来たんだ」こんな恥ずかしい姿担当員さんに見られたら笑われるだろうなぁ……まぁいいか
「それじゃ、行くぞ」「で、でもお兄さん!外にはバケモノがたくさん居るんだよ……?」
……やべぇ、その心配してなかった。さっき注目を浴びて行ったから集まってるし、牛型がすぐにでも扉をぶち開けそう……
「じゃあ、跳ぶか」「……え?」
変異体共の上に跳んで集まりを躱す事にした。
子供達を抱えると窓からジャンプしようとすると「待って!待ってよお兄さん!無謀だって!」男児が叫ぶ。そんなもの無視して力強く跳ねる。
俺の体が放射状に飛び、変異体共は俺に気付きやしない。
その後、俺は着地し、担当員さんの下へ駆け寄る。
「はぁ、はぁ、ふぅ〜……担当員さん、やったよ、」
「まぁ、ぼちぼちだな。」その扱いは酷くないか?
俺こんなに頑張ったんだよ?褒めるくらいはしてもいいと思うんだが、隊員ってこんなキツイのか?
「おい、電知」担当員さんが俺を呼ぶ。さっきまで仮採用呼びだったはずだが、遅すぎてクビ?
「お前は採用だ。」……マジで?と驚く前に、俺は子供のように喜ぶ。俺も採用されて怪物をバッタバッタなぎ倒して、「……あれ?でもこんな都合のいいタイミングで仕事が来るのか?」そう思い、つい口に出す。
「ん?あぁ、この仕事は俺が先に引き受けておいたものだ。」え?じゃあ俺はやってたんじゃなくてやらされてたってこと?
もしかして……「じゃあさっきの電話って、1人で無線機に向かって話してたってこと?」「……あぁ、そうだ。」
すごく気色悪いと思ったが、正式に隊員になれたんだからいいとしようか。――
ここは対変異体特別戦闘員東京支部。
「ついに俺もここの隊員に……!」第一声は何にしようか、どんな奴らが居るのか、そう考えているといつの間にか入口へ着いていた。
さて……俺は力強く扉を開く。「俺は電知 葬太郎!」
だが、ここは思ってたんと違う。
「……ん?あぁ、居たのか、電知……何?」黒いローブ、赤い仮面を着たいかにも強そうな23程の男性がスマホをいじりながら話す
「俺は電知 葬太郎。お前は?」「……俺は紅崎。コードネームは紅だ」
……まさか初めて会話する人が色持ちだなんて思いもしなかった。
「えっと、下の名前は?」少し気になり、紅崎さんに聞いてみる。というか姓名を名乗らないなんて人の風上にも置けない。「言う訳無いだろ。」
俺が思っていた隊員はもう少し元気でやる気のある人物が多いと思っていたら、誰かが入口から入ってきた。振り返ると、35歳程の男性と18歳程の女性がこちらへ歩いてくる。「……溺泉」「あおちゃんって呼んで〜」何やら会話をしているようだ。
「あ!君が担当ちゃんの言ってた新人君?可愛い〜!ケテちゃんも見てよ〜!ね?」
よかった。まともな人も居たようだ。「俺は電知 葬太郎。お前は?」「あれ〜?コードネームは言わないの?もしかして、まだ決まってない〜?」
そうだ、コードネームがまだ決まってなかった……
何にしようか、そう考えているうちにケテちゃんなる者が俺に話しかける。「担当さんから聞いたが、通常の人間と比べて強いパワーを持つようだな。だったら、ゴリラなんてどうだ?」ダサい。ダサすぎる。コードネームがなかったら仮採用でもいいと思ってたが、頑張ったのにゴリラなんて酷すぎる。
「じゃ~あ〜、あおちゃんが決めてあげる〜」まともな人で助かった。自分で決めたいところだが、検討してみよう「あぁ、頼む」あおちゃんさんに頼む。
「え〜、う〜んとね〜……」ずいぶん考えている様子だが、ゴリラよりもマシな名前を考えてくれるだろうか
「電知 葬太郎、でんち……あ!電池!」何か思いついたようだ。独り言からしてロクでもない名前になりそうだけども……
「じゃあ君の名前は雷神だ!」雷神……いいじゃないか、まともな人でよかった。
「俺は電知 葬太郎、雷神だ!」俺はそう叫び、紅崎さんがうるさそうに耳を塞ぐ。
これから俺は強くなって、いずれは色を手にしてやる!――
どうもこんにちは。
2話まで見たならありがとう。
飛ばして見てたらはやく見てください。
1日か2日くらいで投稿してますがいつ失踪するか分かりません。それじゃ、サラダバー