表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
半ニート、自分勝手。  作者: わんたろう
1/5

億劫

宮元スギル。30歳。

働き始めてからろくに貯金もせずだらだらとすごしていた。

正直、妥協して決めた仕事に就いているとなにをするにも億劫だった。


支度から帰宅まで全部、全部、全部。


仕事中、終了時間まで意識とばしたいなんてしょっちゅう考えてた。

それほど自分にとって、仕事とは「お金<やりたいこと」だった。

言い訳がましい?わかってるよ。


昨年、両親が他界したのをきっかけに退職。

そして今、金がない。

家族からあれほど貯金貯金と言われてきたのに娯楽を優先してきた結果がこれだ。

いわゆる自業自得でございます。


しかし月々の支払いもあったのでようやく重い腰を上げ、いろんな人材派遣サービスに登録してみる。

見たことない求人が多く、とりあえずやってみようと応募しまくった。

初めての職場って最初は謎にテンションあがるんだけど…思ったよりも職場の雰囲気が陰鬱としていたり掲載内容と違うことをやらされたりしていくと、もう二度と働きたくないというテンションにだだ下がり。

そんなこんな過ごしていくうちにふと…


「社会人向いてる?」


頭の中でそんな声が聞こえてきた。

自分自身の問いかけだろう。30代にしてようやく気づいた愚かさを噛みしめる。


金も資格も経験もない、おもしろみのない人間が一人消えたところで悲しむやつはいない。多分。

しかし安易に逝けないものである。両親が遺していった猫2匹。こいつらを養うために金が必要だ。兄弟がいない俺にとっては口のきけない弟と妹だ。


でも もう 辛いんだ


ギリギリの精神でなんとか生きている。ただ死んでないだけだ。

転職活動なんてくそくらえ。そうしている間にも金は減っていくんだ。


俺は…自分勝手に生きたい。生きさせてくれ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ