第10回(最終シリーズ)・257名を葬った17歳の少女 第4部
わたし達が一時的に撤退した後でドイツ軍の歩兵部隊が味方の塹壕内に侵入を開始しました。
取り残された重傷者を含む赤軍兵士達。
彼らはやって来たドイツ兵どもによって無残にも全員が殺されたのです。
再びわたし達の部隊が押し返し、塹壕陣地に戻ってみると・・。
「酷い、酷過ぎるわ!」(わたし)
「みんな殺されてる!」(マーシャ)
塹壕内は死臭で充満していました。
無抵抗な状態で殺された味方の兵士達は銃ではなく皆銃剣で刺し殺されていました。
惨たらしく何度も刺された跡がありました。
そんな光景に怒りが込み上げてくるわたし達。
「絶対に仇を取ってやるわ!」(わたし)
「わたしもやってやるわ!」(ジーナ)
16歳のパルチザンの少女ジーナも復讐心をむき出しにして怒りを爆発させます。
援軍として派遣されたベラルーシの部隊が到着するとわたし達の総攻撃が始まりました。
塹壕を飛び出して突撃するわたし達。
敵の陣地まではわずか200m程でした。
マシンガンを手に敵の塹壕内に躍り込むジーナとわたし達。
まずはジーナが先頭に立って敵陣に乗り込みます。
16歳の少女ながら身長が170cm以上の彼女。
彼女の白いフェルトのブーツは汚れと破損で使えなくなり、今では父親から送られた黒光りするブーツを履いていました。将校が履くようなスラリとした黒いロングブーツが彼女の凛とした体形にピッタリでした。
そんな彼女がサブマシンガンを構えながら敵の塹壕内を慎重に進んでいきます。
まずは左手にあった敵の小部屋の木戸をゆっくりと開けて手榴弾を投げ込む彼女。
“ヴォーン!”
中で爆発が起こるとすかさずマシンガンで一連射浴びせます。
“バババババババッ!”
中をの覗き込むと3人のドイツ兵が死んでいました。
2人は爆死でもう1人はジーナのマシンガンでハチの巣にされていました。
「やったね!」(ジーナ)
次の部屋は入り口に汚いボロ布がぶら下げてありました。
薄明りの見える壕内にマシンガンで乱射を加えるジーナ。
“ババババババッ!”
中には敵の負傷兵が2人居ましたが、2人共ジーナに撃ち殺されてしまいます。
その先に進んでいくと塹壕内に敵の負傷兵が10数名壕の両サイドにもたれかかる様にして居たのです。
「さあ、みんな、」(ジーナ)
「仇を取るわよ!」
そういうとジーナは無抵抗なドイツ兵に向かって短機関銃を乱射し始めます。
「くたばれ!」(ジーナ)
「虫けらどもめ!」
“ババババババババッ!”
ジーナの容赦の無い銃撃にひとたまりも無く絶命していく敵の負傷兵達。
「今度はあなたの番よ!」(ジーナ)
5~6人撃ち殺すと少し満足したのか、残った連中の始末をわたし達に任せる彼女。
腕を負傷したドイツ兵を汚れたブーツで踏み付けて唾を吐き掛けているジーナ。
わたしは銃剣をライフルに装着して敵兵に向かっていきます。
マーシャもわたしの後に続いてきました。
「マーシャの仇よ!」(わたし)
「それっ!」
戦死した親友のマーシャの名前をつぶやきながら銃剣を横たわるドイツ兵の腹部に突き刺すわたし。
プスリと沈み込んでいく銃剣がみるみる内に彼の体を突き抜けて彼の目から命の火が消えていくのがはっきりと分かりました。
「可哀そうだけど、戦争なんだから。」(わたし)
「仕方ないわ!」
突き刺した銃剣を引き抜く為にわたしは彼の胸の辺りをブーツで踏み付けます。
1人殺すと後は何も感じません。
辺りに居た他のドイツ兵にも次々と銃剣を突き刺してトドメを刺していくわたし。
マーシャも最初は恐る恐る突き刺していましたが、彼女も1人刺し殺すと後は慣れた手つきで次々と
刺し殺していきます。
わたしが4人、マーシャが3人殺害しました。
「わたしにもやらせてよ!」(ジーナ)
銃剣の付いたライフルを彼女に渡すと向こう側に座っていたドイツ兵目掛けて銃剣を突き立てる彼女。
「え~い!」(ジーナ)
「くたばれ!」
「コノヤロ~!」
胸の辺りをひと突きした彼女は男の顔面を踏み付けながら銃剣を引き抜きます。
「あ~、すっきりしたわ!」(ジーナ)
「これ一度やってみたかったの。」
銃撃で撃ち殺すのとは違った感触が味わえて満足したのか、彼女は少し落ち着きました。
こうして塹壕内に残っていたドイツ兵どもを一掃したわたし達。
わたしとマーシャとジーナとで20人程を始末しました。
男性兵士達の出る間もなくわたし達3人娘だけで敗残兵を全滅させたのです。
その後敗走するドイツ軍を追ったわたし達はドニエプル川付近でやっと彼らに追いつきます。
川を渡河しようとしていたドイツ兵の一団を見つけたわたし達。
彼らを攻撃するように命じられたわたしはサブマシンガンで狙いを付けます。
「全部殺ってやるわ!」(わたし)
「それ~!」
“バババババババッ!”
薄暗い中で弾道だけがハッキリと彼らに吸い込まれていくのを実感したわたし。
次の瞬間バタバタと薙ぎ倒されていくドイツ兵どもを見つめながらわたしは弾倉が空になるまで引き金を引き続けました。
「もう全滅したわよ!」(ジーナ)
彼女の声にふと我に返ったわたし。
気付くと11人の敵の死体が転がっていました。
「わ、わたしが全部やったの?」(わたし)
「そうよ、たった今あなたの手で全滅させたのよ。」(ジーナ)
長い間、防御戦で狙撃をしてきたわたしにとって攻撃で大勢の敵を倒したのは初めてでした。
スッキリとした気分になる訳でもなく、ただただ大勢の命をわたしの手で奪ってしまった事を実感せずにはいられませんでした。
第5部につづく・・。
次回の更新は1月21日(1:00)になります。
大戦を生き抜き大勢のドイツ兵を殺害した彼女の晩年の凛々しい姿




