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ソビエト軍少女兵戦記  作者: Kateryna Sheremska
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第9回・死体の山を築いた機関銃少女・後編(12月13日に再構成しました)

 戦車に火炎瓶を投げつけて燃やし、帯同していた擲弾兵を4名始末したわたし。

敵戦車の中から戦車兵達が我先にと這い出してきました。

その瞬間を待っていたわたし。


「わたしと対面ね。」(わたし)

「運が悪いこと。」


“バババッ!”


「お前もだ!」


“バババッ!”


「お次は?」


“バババッ!”


中から這い出してくるドイツ戦車兵を数メートルの距離から狙い撃ちにして楽しむわたし。


「もうこれで終わりかよ?」


“バババッ!”


最後の1人を撃ち殺すと足早に自軍塹壕内に戻るわたしでした。


「さあ、来るなら来なさい!」(わたし)

「わたしが相手になってあげるわ。」


後方から進撃してきたドイツ軍歩兵部隊は戦車によってソ連軍陣地は粉砕されたものだと思っていたようです。

煙の中を数十人単位で固まって進軍してくるドイツ兵達がわたしの視界に入ってきました。


「もっと近づきなさい!」(わたし)

「わたしの正義の銃弾を、たっぷりご馳走してあげるんだから。」


大勢のドイツ兵どもが、焼けただれた味方の戦車と無残に撃ち殺された味方の8人の死体を確認した時には既に遅かったのです。

ドイツ軍歩兵部隊は全員わたしの射線に入っていました。


「いいこと。」(わたし)

「始めるわよ!」


「ソレ~!」


“ドドドドドドドドドドドドドッ!”


マキシム機関銃の防護板の中央の覗き穴から見えるドイツ兵達はまるでダンスでも踊るように次々と薙ぎ倒されていきます。


挿絵(By みてみん)

機関銃を構えるニーナ(映画の1場面より)

挿絵(By みてみん)

薙ぎ倒されるドイツ兵

挿絵(By みてみん)

次々と撃ち殺されていくドイツ兵達


「楽しい!」

「最高だわ!」


“ドドドドドドドドドドドドドッ!”


「ホラッ、もっと殺してやるよ!」


“ドドドドドドドドドドドドドッ!”


「この瞬間がたまらないわ!」

「ホラホラッ!」

「もっとわたしのおしゃべりを聞きなさい!」


“ドドドドドドドドドドドドドッ!”


先程わたしが破壊した戦車に当たって跳ね返った銃弾までもが哀れなドイツ兵達の体を撃ち抜いていきます。


「まだまだよ!」

「1人も生きて返さないからね。」


“ドドドドドドドドドドドドドッ!”


わたしのマキシムはジャムる事もなく快調にドイツ兵達を仕留めていきます。

逃げ出そうとするドイツ兵も逃しません。


「ほら、そこっ、逃げんじゃないわよ!」


“ドドドドドドドドドドドドドッ!”


背中から無残に撃ち抜かれて倒れる3名のドイツ兵。


「アッハッハ、やったね!」


もはや鬼畜となった若干20歳のわたしは笑いながら虐殺を楽しみます。


「ふふふっ、頭吹っ飛ばすわよ!」


“ドドドドドドドドドドドドドッ!”


最後の連射が終わると辺りは静けさに包まれます。

わたしが撃ち殺しまくったドイツ兵の総数は120名に上りました。

わずかに銃口から煙を噴き上げるマキシム機関銃の射線内には、無数に横たわるドイツ兵の死体で埋め尽くされていました。


「ホント、気分爽快!」

「わたし、まだ殺し足りないかも。」


山のように殺されたドイツ兵士達の死体の後方では、わたしが破壊した戦車がまだくすぶり続けていました。

この日の多大なる戦果によってわたしは赤旗勲章を授与されました。

そして翌1942年2月27日、わたしは数名の兵士達とドイツ軍の機関銃陣地の排除に向かいます。

わたし達の小隊は運悪くドイツ軍機関銃兵に見つかってしまい銃撃を受けます。


“ババババババババッ!”


2名の友軍兵が殺されわたしは森に一旦身を潜めます。

何とか敵の陣地に向かって迂回するわたし。

示し合わせた時間に逆方向に残った戦友が敵陣地に銃撃を加えます。

そちらの方に気を取られた瞬間に手榴弾を投げ込むわたしでした。


「エイッ!」


“ヴォーン!”


3名のドイツ兵が爆死します。

その彼らの陣地内に躍り込むわたし。

敵の機関銃は幸い無傷でした。

ドイツ軍の機関銃を操作して構えるわたしだったのです。

わたしは50mほど離れた所にあったもう一つのドイツ軍機銃陣地に向けて発砲を始めました。


「友達の仇よ!」


“ドドドドドドドドドドドドドッ!”


味方陣地からまさかの銃撃を食らいバタバタと撃ち倒されるドイツ兵達。

敵の3名はあっという間にわたしの放った銃撃によって撃ち殺されました。

ドイツ軍機関銃陣地を2か所破壊したわたしは基地に戻ります。

そしていよいよドイツ軍が大軍でわたし達赤軍の陣地に攻め込んできたのです。


1942年3月1日。

ニーナにとって最後の戦闘が始まりました。

(以下はニーナの活躍ぶりを目撃していた戦友の証言による。)


わたし達は自軍内の味方兵士が次々と倒れていく間もドイツ軍の進撃を撃退し続けました。

ニーナも機関銃でドイツ兵達を殺し続けていました。


「ここは渡さない、絶対に!」(ニーナ)

「わたしがいる限り!」


“ドドドドドドドドドドドドドッ!”


相変わらずニーナの射撃は冴えわたりドイツ兵は死体の山を築きます。

そんな獅子奮迅ぶりのニーナ。

最後は左肩を負傷し、右手一本でドイツ兵を殺し続けました。


「わたしは負けないわ!」(ニーナ)

「この~!」


“ドドドドドドドドドドドドドッ!”


ニーナの放った最後の連射に10名以上のドイツ兵が薙ぎ倒されます。

しかし、手榴弾を投げ込まれた彼女は爆発とともに倒れ込みました。

まだ息のある状態で放置されていた彼女はその後押し戻してきた味方兵士によって助け出されます。

しかしながら、重傷を負った彼女は野戦病院内で1942年3月8日に息を引き取りました。


初めて前線に出て48名の敵を撃ち殺してからわずか7ヶ月目の事でした。

このセヴァストポリ防衛戦でニーナが殺害したドイツ兵の総数は500名以上でした。

20歳の少女ニーナは短命な機関銃手として7ヶ月間の戦闘に参加し、ドイツ軍に与えた損害は総数で850名以上の殺害でした。

ニーナはセヴァストポリのコミュナーズ墓地で他の死んだ兵士と一緒に埋葬されました。


挿絵(By みてみん)

凛々しいニーナ

挿絵(By みてみん)

海軍兵の軍服姿のニーナ

挿絵(By みてみん)

カラー写真のニーナ

挿絵(By みてみん)

ニーナの記念碑

挿絵(By みてみん)

ニーナの銅像


1965年5月14日付けのソビエト連邦最高会議の法令により、ニーナ・アンドレーヴナ・アニロワ上級軍曹は死後、ソビエト連邦の英雄の称号を授与されました。

オデッサの街には彼女の功績を称えアニロワ通りが今もあります。


次回はシリーズ第10回(最終回)、257名を葬った17歳の少女です。


次回の更新は12月24日(0:00)になります。

お詫び:後編の内容が手違いにより未完のまま掲載されましたので再構成しました。(12月13日)

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