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ソビエト軍少女兵戦記  作者: Kateryna Sheremska
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第5回・ドイツ精鋭装甲師団を壊滅させた少女達・第4部

女子砲兵隊の守る砲台は次々とドイツ軍の猛攻により破壊されていきます。

それでも尚抵抗を続けた少女達。

ドイツ軍の被った損失は甚大でした。

 ニーナが声を限りに叫びます。


「撃て!」(ニーナ)


“ズドーン!”

“ズドーン!”

“ズドーン!”


“シュヴァッ!”

“ジュヴァッ!”

“ヴォ~ン!”


次々に火を噴いて炎上するドイツ軍戦車。

その度に、女の子達はこぶしを振り上げて打ち震えました。

わたし達の第4砲台の戦いは1時間半に渡って続きました。

結局、わたし達はユンカースを2機撃墜し、高射砲チームは敵戦車を18両撃破しました。

そしてわたし達機関砲チームは敵の車両を8両破壊し100名以上のドイツ兵を撃ち殺しました。


同じ頃、チェルニー上級中尉と下級政治将校のブカレフの指揮下にあった第5中隊もドイツ軍の猛攻に耐えていました。

この砲台を担当していたバレンチナ・グリゴヴレワがドイツ軍と対峙することになりました。

彼女達の砲台の正面にもドイツ軍の戦車部隊が約80両現れました。


「よく狙えば飛行機より戦車の方が動きが鈍いし狙いやすいわ。」(バレンチナ)

「前方の戦車を狙いなさい!」


「撃て!」(上級中尉)


“ズドーン!”


“ヴォーン!”


「やったね、命中!」(タチアナ)

「イェ~!」


先頭の戦車に命中し、2番目の戦車も炎上し始めました。

ドイツ軍の戦車が火炎に包まれると手を突き上げて喜ぶ彼女達。


「今度はあの兵員トラックを狙うのよ!」(バレンチナ)


「撃て!」


“ズドーン!”


“ヴァッシューン!”


「やったね!」(マリア)


85mm砲弾が直撃した兵員トラックは十数名のドイツ兵もろとも木っ端微塵に吹き飛ばされて消滅しました。

ドイツ兵達の燃えかすが散らばっているのを見て満足そうな彼女達。

ドイツ軍戦車を撃つ度に射撃の制度が上がっていく彼女達だったのです。

しかしドイツ軍も必死に波状攻撃を仕掛けてきます。


“ヴォヴォーン!”


「キャ~!」

アンナ・フィリポヴナが悲鳴を上げます。

戦車の砲弾をもろに浴びて吹き飛ばされる3名の少女兵。

それを目の当たりにした彼女は両耳を抑えてしゃがみ込んでしまいます。


「しっかりしなさい!」(バレンチナ)


「諦めないで!」(タチアナ)


そんな彼女を励まして砲弾を装填する砲兵女子のタチアナ。

気を取り直した18歳のアンナは機関砲座に座ってドイツ軍車両に狙いを付けます。


「撃て~!」(タチアナ)

“ドッドッドッドッドッドッドッ!”


ドイツ軍装甲車とトラック、それに密集隊形で突進する擲弾兵に向かって乱射される機関砲。

アンナの発射した37mm機関砲弾は装甲車を撃ち抜き、トラックを粉砕し、擲弾兵をバタバタと撃ち殺していきます。

もう1人の17歳の少女マリア・イワノヴナも至近距離に迫ったドイツ軍兵士の一団に向かって情け容赦なく機関砲弾を撃ち込みます。


「容赦しないからね!」(マリア)

「喰らえ~!」

彼女のブーツが発射ペダルを強く踏み込みます。


“ドッドッドッドッドッドッドッ!”


あっという間に数十人のドイツ兵が薙ぎ倒されました。


「思い知ったか!」(マリア)


累々と横たわるドイツ軍兵士の死体に向かって叫ぶ彼女。

凄まじい砲火の応酬になりました。

そんな中、女子砲兵達は1人、また1人と撃ち抜かれ、爆発で吹き飛ばされて討ち死にしていきます。

わたし達の陣地がじゅうりんされ始めると今度は低空飛行でハインケルHe111爆撃機が2機現れました。


「わたしが叩き落してやるわ!」(ソフィア)


19歳のソフィアが機関砲座で正面に飛んでくるハインケルに照準を合わせます。


「え~い!」(ソフィア)

“ドッドッドッドッドッドッドッ!”


ソフィアのブーツが射撃ペダルを踏み込むとハインケル前部の操縦室が一瞬で発火し、中のパイロット達は撃ち抜かれて割れた前面ガラスは血で染まり、彼女達の後方に煙を吹きながら墜落していきました。

「よしっ、やったわ!」(ソフィア)


中型爆撃機を4名の乗員もろとも葬った彼女はもう1機も撃ち落とそうと狙いを付けていました。

僚機が撃墜されたもう1機は急に上昇を始めてソフィアの銃撃をかわそうとしたのです。


「逃がすもんですか!」(ソフィア)


「わたしに任せて!」(ジナイダ)


別の機関砲座のジナイダが上昇中のハインケルに狙いを定めて弾丸を撃ち込みました。


「みんなの仇よ!」(ジナイダ)

「それっ!」

“ドッドッドッドッドッドッドッ!”


“ヴォッ!”っと一瞬で翼がオレンジ色に染まると黒煙を噴きながらきりもみ状態になって落ちていくハインケル。


「やったね~!」(ジナイダ)

“ジュッヴォーン!”


敵機の墜落を確認してホッとした表情のソフィア。

結局バレンチナ達は2機のハインケルを撃ち落とし、敵の戦車を15両撃破し4両の歩兵車両を破壊し、200名以上のドイツ兵を撃ち殺しました。


ロシュチン上級中尉指揮下の第6砲台の女子達も獅子奮迅の闘いぶりでした。

最初の砲撃で3両のドイツ軍戦車に火を付け、数分後には更に5両の戦車を燃え上がらせました。

彼女達のチームは最終的に18両の敵戦車を破壊し3両の歩兵車両を粉砕し、300名以上のドイツ兵を撃ち殺しました。

その代償は大きく、この砲台の全ての砲が破壊されて陣地は壊滅状態になり、わずかに生き残った少女達は陣地を離れました。

そしてドイツ軍との熾烈な闘いは翌24日の朝まで続き、第7砲台の女子達は戦車9両と歩兵車両6両を撃破し、300名以上の敵兵を撃ち殺しました。


第5部につづく・・。

(次回の更新は6月25日0:00になります。)

挿絵(By みてみん)

10代の少女達に機関銃の扱い方を説明する20代の女子兵士

挿絵(By みてみん)

女子高射砲連隊の若き女性砲兵のスナップ

挿絵(By みてみん)

話をする女子高射砲兵たち 

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