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ソビエト軍少女兵戦記  作者: Kateryna Sheremska
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第5回・ドイツ精鋭装甲師団を壊滅させた少女達・第3部

ヴェルチャヒ農場の西の地域でドン川を越え、スターリングラードに向けて急速な進軍を開始し、市内に突入しようとした第16装甲師団と第3自動車化歩兵師団、そんな彼らの前に立ちはだかったのがコムソモールの少女達(女子高射砲連隊)だったのです。


 ドイツ軍3号戦車の突然の発砲で破壊されたわたし達の高射砲陣地。

一瞬にして動揺し、不安な顔になる女の子達。

しかしながら、この陣地の指揮官スカクン上級中尉はとても落ち着いていました。

実は監視所から敵戦車出現の一報を受けたこの第4砲台指揮官のスカクンは対戦車防御の準備として事前に第1砲と第2砲を特別な位置に前進させ、監視を強化するよう命じていました。

ニーナが上級中尉に呼ばれて何やら話をしています。

しばらくして彼の話を聞き終わるとニーナが大きくうなづいてわたし達の所に戻ってきました。


「みんな、いいこと!」(ニーナ)

「わたし達は砲兵だから、」

「あくまで大砲と機関砲で敵を打ち負かすのよ!」


「でも、どうやって・・。?」(アンナ)


不安そうなアンナが消え入りそうな声で聞き返します。

そんな不安そうな女の子達にニーナは実に堂々と答えました。


「これからわたし達は高射砲も機関砲も砲身を下げて水平射撃するのよ!」(ニーナ)

「敵の戦車や歩兵車両を直接狙い撃ちしてやるんだから。」

「空からの攻撃には応戦せず、弾薬をできるだけ敵装甲部隊攻撃に使いなさい!」

「いいわね!」


ニーナの指示は完結でした。

わたし達機関砲陣地の女子達にもすぐにこの命令が伝わりました。


「ヴァレリヤ、あなたのチームは敵の装甲車やトラックを狙いなさい。」(ニーナ)

「戦車はわたし達高射砲チームに任せて!」

「もしまたユンカースが襲ってきたら、マキシム機銃で応戦してちょうだい。」


「わかったわ、奴らに目にもの見せてやりましょう!」(わたし)


わたし達は高射砲と対空機関砲で直接敵の戦車や軍用車両を撃つことになったのです。


「みんな、よく聞きなさい!」(ニーナ)

「まずは、1両目をしっかり狙ってやるのよ。」


「撃て!」(ニーナ)

“ズドーン!”


“ジュヴォーン!”


85mm砲が火を噴きドイツ軍の3号戦車が砲塔を吹き飛ばされました。


「やったわ!」(アレクサンドラ)

「思い知ったか!」


1両目を撃破して喜ぶ砲手のアレクサンドラ。

そしてすぐに2両目に狙いを付ける彼女。


「もう一発食らわしてやるわ。」(アレクサンドラ)

「みてなさい!」


「撃て!」(指揮官)

“ズドーン!”


“ズヴォーン!”


2両目の3号戦車も彼女が放った直撃弾を受けて炎を噴き

「イェ~!」


たった今ナチスの戦車を2両炎上させた彼女。

喜びのあまり叫び声をあげます。


「もう1両よ、いいわね!」(ニーナ)


「はい!」(女子砲兵)


「撃て!」(指揮官)

“ズドーン!”


“ズヴォーン!”


3両目の4号戦車も煙を上げて動かなくなりました。

中から乗員が出てくると今度はそいつらにマキシム機関銃で掃射を掛けるわたし。


「くたばれ~!」(わたし)

“ドドドドドドドドドッ!”


上部とサイドのハッチから一斉に這い出してきた戦車兵4人をハチの巣にしてやりました。

“ホント、いい気味!”

わたしは心底そう思いました。

すると上空からユンカース急降下爆撃機がしつこく飛来してきたのです。

わたしはユンカースに向けてマキシム機関銃で撃ちまくりました。


“ドドドドドドドドドドッ!”


“シュヴォッ!”

“キュ~ン!”

“ジュッヴォーン!”


あっという間に火だるまになったユンカースは2名のパイロットと共に地上に激突して爆発しました。

「よしっ!」(わたし)


自分を鼓舞するように叫んだわたし。

わたしがユンカースを撃墜した直後に、敵の歩兵車両がわたし達機関砲チームの射程に入ってきました。

 「みんな、今度はわたし達の番よ!」(わたし)

「アンナもジーナもよく狙って撃ちなさい。」


「わたし、大丈夫です!」(アンナ)

「わたしも、もう平気です!」(ジーナ)


若い2人の少女がそれぞれの機関砲の銃身を下げてドイツ軍のハーフトラックに狙いを付けます。


「撃て!」(わたし)

2人の女の子がブーツで射撃ペダルを踏み込みます。


“ドッドッドッドッドッドッ!”

“ドッドッドッドッドッドッドッ!”


“ジュヴォ~!”

遥か彼方に見えるハーフトラック群の周辺に土煙が一斉に上がったかと思うと、細かいオレンジ色の炎が立ち上りグレーの集団が一斉にバタバタと地面に倒れました。

2人の撃ち込んだ弾丸が敵の車両を粉砕し、乗っていたドイツ兵どもを撃ち砕いて辺り一面に散乱させたのです。

「ウワァ~!」(アンナ)

「わたち達、やったのよ!」


「わたしも~!」(ジーナ)

「イェ~!」


機関砲弾は一瞬で敵の車両もろとも大勢の敵兵を葬り去りました。

すると、また1機ユンカースが襲ってきました。


“キュイーン!”

サイレン音と共にわたし達に突進してくる敵機。


「今度はわたしにやらせて!」(エレナ)


“ドドドドドドドドドドドッ!”


マキシム機関銃をユンカースに向けて弾切れになるまで発射ボタンを押し続けた彼女。


“ヴォッ!”

“ヒュ~ン!”

“ジュヴォ~ン!”


「やり~!」(エレナ)

「わたしもやったね~!」

「ザマァ見ろっつ~の!」


再びわたし達の餌食になったユンカース。

撃墜したエレナは満足気な笑みを浮かべます。


“ズドーン!”

“ズドーン!”

“ズドーン!”


わたし達が敵車両を次々に撃破し、ついでにユンカースも血祭りに上げていた頃、ニーナ達の高射砲部隊も敵の戦車を狙い撃ちしていました。


第4部につづく・・。

(次回の更新は6月25日0:00になります。)

挿絵(By みてみん)

まだあどけない表情の女子高射砲連隊の女子

挿絵(By みてみん)

85mm高射砲の前で打ち合わせする少女達

挿絵(By みてみん)

女子高射砲兵たちのスナップ


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