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ソビエト軍少女兵戦記  作者: Kateryna Sheremska
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第4回・恐怖の仲良し少女ペア・第2部

 1942年3月3日、第528歩兵連隊はディアギレボの村に進軍しました。

連隊の指揮所はベクリシュ村の近くにあり、指揮官のドヴナー少佐は指揮所を守る機関銃の要員を戦闘部隊に駆り出したためにナタリアに軽機関銃を任せることにしたのです。


わたし達は指揮所に残って守りを固めました。

味方の部隊と一緒に行ってドイツ兵どもを一掃したかったわたし達でしたが、思わぬ形でそれが実現したのです。


「マーシャ!敵よ!」


ドイツ軍の歩兵部隊がわたし達の指揮所に迫ってくるのが見えました。

1個小隊約50名ほどの部隊でした。

簡易な造りの指揮所にはわたし達しか残っていなかったので無人だと思ったのか、敵もあまり警戒せずに近づいてきました。

そこでわたしはぎりぎりまで彼らを引き付けることにしたのです。


「マーシャ、奴らの側面に回りなさい!」


マーシャは前進してくる敵の側面に回って狙撃の準備をしていました。


「わたしの獲物があんなにたくさんいるわ。」

「見てなさい!」

近づいてくるドイツ兵の一団に向かって狙いをつけるわたし。

わたしの胸の鼓動はドキドキと高鳴り、引き金に掛けた指は汗でじっとりとしていました。

ドイツ兵達が約30m程の距離まで迫ってきた瞬間でした。


「今だ!」

“ババババババババババババッ!”

最初の連射で10数名がバタバタと倒れました。

わたしの高揚感は最高潮に達していたのです。

“ウゥ~、やったね~!”


「わたしが相手よ!」

「ホラッ、かかってきなさい!」

「ソレソレ~!」

“ババババババババババッ!”


わたしの機関銃が火を噴き続けドイツ兵がバタバタと薙ぎ倒されていきました。

あっという間に20名ほどがわたしに撃ち殺されて無残な遺体をさらし、同時に側面からマーシャが容赦なく彼らに狙撃を加えました。


“バシュン!”

“バシュン!”

“バシュン!”

次々と倒されていくドイツ兵ども。

身も心もすっきりするような光景に胸が踊るわたし達。

気づけばわたし達の銃撃で30名以上が殺され、残りは一目散に撤退していきました。


「ざまあ見ろ!」(わたし)

「思い知ったか!」

初体験の機関銃の威力は絶大でした。

狙撃で1人1人倒していくのとは違って短時間で薙ぎ倒していく快感がありました。

指揮所に戻ってきた少佐達はわたし達の活躍を祝福してくれました。


3月4日、わたし達も村のドイツ軍への攻撃に参加しました。


わたし達の任務は、村のドイツ軍陣地を狙撃で潰す事でした。

わたし達はいつものように2人で出発しました。


「マーシャ、今日のわたし達の任務は、敵の機関銃陣地を潰すことだよ。」


「今日は何匹駆除できるかしら、わたし達。」


「今日も、一緒に楽しみましょ!」(マーシャ)

わたし達は村に入り慎重に敵の様子を覗いました。

この村にはドイツ軍の部隊がすでに到着していて、50~60人位の小規模な歩兵部隊が陣地を設営していたのです。

村の中心部に奴らの機関銃陣地がありました。

わたし達はこの陣地を潰して敵を混乱させようとしたんです。

彼らの陣地の周囲には7~8名のドイツ兵が戦闘隊形を組んでいました。

わたし達は400mほど離れた位置に陣取り、奴らを狙い撃ちすることにしたのです。


「いるいる、ナチどもめ。」(わたし)


「まずは、左右の奴らから駆除するわよ。」


「わたしは右側、マーシャは左側よ。」


「いいわね!」


「わかったわ。」(マーシャ)

ドイツ兵どもはわたし達に狙われているとは全く思っていませんでした。

土のうを積んで弾薬箱を並べる彼ら。

光学レンズで覗き見ると、全く無防備な状態で作業をしている彼らは楽な標的だったのです。

わたし達は左右の兵士から倒して彼らを混乱させることにしたのです、


「まずは、右端のアイツだわ。」


「くたばれっ!」


“バシュン!”


“バシュン!”

マーシャもわたしとほぼ同時に左端の敵を撃ち殺しました。

いきなり2人撃ち殺されて慌てる彼ら。


「やったわ!」(わたし)


「あいつ等、混乱してる、ふふふっ。」

右往左往する彼らに連続射撃を仕掛けるわたし達。


「今だわ、」


「それ、追加よ。」


“バシュン!”


“バシュン!”

更に2人を仕留めたわたし達。

土のうを積み上げた手前に2人のドイツ兵の死体が転がっていました。


「アッハッハッ、やったね!」(わたし)


「ホラッ、逃げんじゃねェよ!」


“バシュン!”


“バシュン!”


「ナターリャ、わたしも3人殺しちゃったわ。」(マーシャ)


「やったね、えっへっへ。」

わたし達は笑いながらドイツ兵どもを次々に撃ち殺していきました。

最初の狙撃で6人を射殺したわたし達。

敵が機関銃で応戦し始めたので、わたし達はポジションを変える事にしたんです。


「そろそろ、移動しなくちゃ。」


「ポジションを変えて、機関銃を片付けるわよ。」

わたし達はあらかじめ決めておいた次の場所に移動しました。

民家の2階の窓で、距離は300m位ありました。

敵の陣地を横方向から狙える絶好の場所だったんです。

正面に向かって機関銃を撃ちまくる彼ら。


「ここって、絶好の場所よねェ。」(わたし)


「見当違いの方向に向かって撃ってるよ。」

わたし達から見える残りの敵は4名でした。


「あと、4人だわ。」(わたし)


「2人づつ、始末するわよマーシャ。」

わたしは機関銃手をマーシャは装填手を狙いました。


「それっ!」


“バシュン!”


“バシュン!”


沈黙する敵の機関銃。

生き残った残りの2人が機関銃の銃身の交換を始めました。


「今だわ!」


「それっ!」


“バシュン!”


“バシュン!”

わたし達、2人同時に敵を仕留めました。

スコープ越しにみると、ドイツ兵のヘルメットを貫通したわたしの銃弾が彼の血潮を飛び散らせたのです。


「やったァ!」(わたし)


「あっという間に終わっちゃった。」


「ヨシッ!」(わたし達)


わたし達は村に陣取るドイツ軍機関銃小隊を全滅させました。

今日のわたしの戦果は5人射殺、マーシャも5人射殺でした。

これでわたし達が駆除したナチスは全部で60人を超えていました。

わたし達の前にあるのは常にわたし達の勝利なんです。

わたし達はナチスを殺す度に、その快感に酔いしれました。


そしてわたしとマリアはこの村での戦闘中にドイツ軍の砲撃によって両足を負傷したドヴナー少佐を前線から救い出しました。


5月20日

ボリショエヴラゴヴォ村の近くでの戦闘に参加したわたし達。

わたし達は攻撃布陣のドイツ軍に徹底的な狙撃を加えました。

巧みな偽装によってわたし達は敵を翻弄し、わたしは21人のドイツ兵を射殺し、マーシャは15人を撃ち殺しました。

しかし、わたしは敵の砲撃によって両手と両足を負傷してしまいます。

特に左手を突き抜けた破片による傷は深く、暫くの間銃を撃つ事が出来なくなってしまいました。

この日は副大隊司令官のコフショバが砲撃によって戦死しました。

わたしはデミャンスクから15km離れた医療大隊で入院し、そこで6月まで治療を受けなければなりませんでした。

わたしが負傷した2日後にはマーシャも負傷してここに搬送される事となりました。

病院でしばらくの入院生活を送ったわたし達の友情は、ますます強くなっていったのです。


挿絵(By みてみん)

大勢のドイツ兵を射殺したナタリア&マリアペア


第3部に続く・・。

次回の更新は5月14日0:00になります。

戦地での生活は大変なものでしたが、ナタリアは明るく振る舞い、家族や友人に数多くの手紙を書きました。手紙には、彼女の個人的な感情や祖国のへの思い、親族に対する不安などが書かれていました。また彼女の手紙は誠実で楽観的で、ナチスへの憎しみでいっぱいでした。


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