アドミラルティ係数
アドミラルティ係数とは『船型が相似していれば、速度・排水量・出力はなんとなく比例しそうだ』という考えに基づき算出される船形に関する係数である。
以下の式で求めることが出来る。
C=(nt)^3× t^(2/3)÷hp
C:アドミラルティ係数
nt:速度・ノット
t:排水量
hp:馬力
例えば戦艦大和は
公試排水量72,809t
出力153,553hp
速力27.46nt
なので
C=(27.46)^3×72809^(2/3)÷153553=235.13
となる。
ここから何が分かるかというと
例えば排水量そのままに30ntで走らせる場合の出力は
hp=nt^3×t^(2/3)÷C=30^3×72809^(2/3)÷235.13=200222hp
約20万hpの出力があれば良いと分かる。
他にも
排水量を10万tにして出力を20万hpとした場合の速度は
nt=3√(hp×C÷t^2/3)=3√(250000×235.13÷100000^2/3)=27.94nt
出力10万hpで速度35nt出せる排水量は
t=(2/3)√(hp×C÷nt^3)=(2/3)√(100000×235.13÷35^3)=12842t
等々、基本となる船形の係数さえ算出しておけば、任意のパラメータでそれっぽい数値を算出可能となる。
もちろん、船の性能は艦首形状やスクリュー・舵の配置などで変動するが机上でそれらしい数字を出すくらいなら支障は無い。