2.覚醒
俺も待っていた、この瞬間を。
もしかしたらないんじゃないかと思っていたが、あのイケメンくん、最高じゃねぇか。
男の声はゆっくりと勿体ぶって話し始めた。
『そう、今のままでは君たち確実に死んでしまう。だから私が来たのだよ。いや、話すよりも実践した方がいいかな。じゃあ行くよ。【能力解放】』
すると俺の目の前に薄い青色の板の様なものが現れた。
ギフト・オブ・ステータスか、やっぱりきたかステータス。
俺が早速自分のステータスを確認しようとすると、本から出ていた光が強くなり青い板を包んだ。
その光は強く、俺はたまらず目を瞑った。
光はやがて弱まり、また優しく俺を包んだ。
【ステータスに対する干渉の排除及び隠蔽完了】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
名称:高嶺慎護
種族:人間
状態:王の加護(小)、精神安定(小)
クラス:ビギナー
LV:1/30
HP:16/16
MP:18/27
攻撃力:14
防御力:10
魔法力:24
俊敏性:19
固有スキル:
【破滅の光】
特殊スキル:
【ステータス閲覧Lv1】【MP自動回復Lv2】
通常スキル:
【精神安定Lv1】【ダークバレットLv1】
称号スキル:
【魔導書の主Lvー】【魔王の片鱗Lv1】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これが俺のステータスか。
しかしなぁ、俺のステータスって随分と不穏だな。
固有スキルの【破滅の光】や称号スキルの【魔王の片鱗】とかって物騒すぎるだろ。
あの男の声にこれ見られたらやばいだろ。
でもさっきの文字を見るに、その心配はなさそうだな。
俺は他のやつらのステータスを知りたくなって周りを見渡してみた。
俺は教室の隅にずっと座り込んでおり、みんなとは少し離れていたせいでよくは見えなかった。
それでも何人かのステータスは見えた。
そうして見回した結果、俺のステータスはちょっとおかしいという結論に辿り着いた。
まず、全員の共通点としてはクラスがビギナーになっていることと、スキルに【ステータス閲覧】があることだ。
HPやMPはそれぞれバラバラだが、MPは多くて10が1人だけと、俺だけが突出している。
そして状態の『王の加護(小)』、これは俺にしかなかった。
それだけじゃない、みんなのスキルは【ステータス閲覧】のみだった。
俺は自分のステータスを他の人に見せるべきではないと判断し、ステータスを閉じた。
閉じ方はなぜか理解できた。
『さて、みんな自分のステータスを見れた様だね。それじゃあ、私からみんなにプレゼントをあげよう。それじゃあがんばってね。』
男の声が消えた瞬間スピーカーはブツッと音をたて、それっきり何も流れなかった。
【通常スキル『ディメンションLv1』を得ました】
【通常スキル『ホーリーバレットLv1』を得ました】
おっ、新スキルか。
なんか有能そうだな。
俺はバックに本を入れて、ステータスを見て楽しそうに話しているみんなに気づかれない様に教室から出ようとしたが、
「あっ、ちょっと高嶺くん。どこにいこうとしてるの?!外は危ないから出ちゃダメだよ」
クラスの委員長に見つかり男子数人に拘束されてしまった。
2人くらいなら抜け出せたんだが、流石に3人以上は無理だった。
俺を押さえつけているうちの1人が俺に話しかけてきた。
「よぉ慎護くん、お前の気持ちもわかるぜ。いきなりすげぇ力手に入れて自分が最強になった気分だよなぁ。でもよぉ、上には上がいんだよ。委員長とか『聖女』なんつーチートスキルもらってんだぜ?お前はどうよ」
耳元で話されるのはぶっちゃけめちゃくちゃ不快だった。
「………ホーリーバレット」
俺が渋々答えても問題なさそうなスキルを言うと、
「ハハハハッ……なにそれぜってぇ弱いだろ!お前バカだったんだな。そんな雑魚スキルで戦おうとするなんてよ」
さすがにイラついてきたから一発殴ろうかと考えていると、
「ちょっとうるさいわよ!!底辺が騒ぐんじゃないわよ!」
と、さっきまでキャーキャーと騒いでたいた女子の一団が筆箱を投げてきた。
「うぉっと」
あろうことかその筆箱をこのバカは避け、その下にいた俺に当たった。
「ねぇ、今はそんなことしてる場合じゃないでしょ?みんなで協力しなくちゃ」
委員長が女子の一団を説得し、その場は収まった。
難を逃れ解放された俺は、逃げられない様にと一番強い能力を貰ったらしい例のイケメンくんとしばらく2人行動を強いられることとなった。




