10.仲間と力
内容
物騒な武器と制服美少女ねぇ……。
どっかのゲームにでも出てきそうだな。
おっと、そんなことはどうでもいいか。
今俺が気になってるのは彼女のスキル【想造】だ。
【ディメンション】は俺も持っている。
「なんだい、リアクションが薄いねぇ」
そう言って美鶴技は肩をすくめた。
どうやら、俺が思っていたより軽い性格なのかもしれない。
「いや、ちょっと考え事をしてただけです。それと、助かりました。俺一人では、最初のゾンビ達も倒し切れたかわかりませんでしたから」
美鶴技は楽しそうにうんうんと頷いた。
「私としても君のような強力な力を持った味方がいるのは嬉しい誤算だったよ」
強力な力ねぇ、そこまででもないとは思うんだけどなぁ。
と、俺はふと気づいた。
「あっ!骸骨!!」
俺はすぐに校庭の方を向いた。
そこでは片腕を失った骸骨と、どこから取り出したのか、二本の剣を持った王牙が戦っていた。
王牙は二本の剣で交互に斬りかかるが骸骨は杖でそれを弾いた。
剣を弾かれ体制を崩した王牙に、骸骨は攻撃を加えるべく杖を振り上げた。
が、そこに王牙はいなかった。
骸骨が杖を振り上げた瞬間に王牙は骸骨の後ろにいた。
そのまま斬撃を与え、すぐに距離を取った。
「彼、強いねぇ」
美鶴技は満足そうに頷いている。
確かに強い。
片腕を失ったとはいえあの骸骨相手に五分五分の戦いをしている。
俺にはあんな戦い方は無理だ。
そもそも剣が使えないしな。
「それでも、あの化け物に勝つのは無理だろうねぇ」
美鶴技は【ディメンション】に手を入れ、何かを取り出して。
「それは……」
美鶴技が取り出したのは、ゲームでよく見かける手榴弾だった。
しかも一個や二個ではない。
大量の手榴弾がボロボロと出てきた。
「これ、投げようか♪」
そう言うが否や美鶴技は骸骨の向かって手榴弾を投げまくった。
器用なことに指を安全ピンにかけて、一度に十個もの手榴弾を投げた。
骸骨に向かって走っていた王牙は、大量の手榴弾が飛んでくるのを見た瞬間、剣を地面に突き刺し、急ブレーキをかけた。
そのまま剣を蹴り、一気に距離を取った。
骸骨は凄まじい速度で自分から離れた王牙に気を取られていた。
「知ってるかい高嶺くん。芸術は、爆発らしい」
校庭で凄まじい爆発が起きた。
さらに美鶴技はバズーカを撃ち、間髪入れずに手榴弾を投げ込んだ。
爆発はどんどん激しくなり、爆風が俺の所まで届いてきた。
「おい、流石にやり過ぎだぞ」
爆風から逃げてきた王牙が美鶴技を睨んだ。
美鶴技は肩をすくめ、バズーカを【ディメンション】に仕舞った。
王牙はため息を付き、俺に手を伸ばした。
「まだ戦えるな?」
不思議な感覚がした。
1人で戦っていた頃には感じられなかった。
頼もしさ、嬉しさ、心強さ。
相手はあの化け物みたいなステータスをした骸骨だ。
以前状況は良くない。
だけど、こいつらとなら勝てる。
そんな気がする。
俺は王牙の手を取り、立ち上がった。
そこでふと思い出した。
骸骨のステータス欄にはたしか、装備があったよな。
もしかしたら、あの本を装備出来るかもしれない。
俺は【ディメンション】から『魔導書』を取り出した。
この本を買った時はただの古い本にしか見えなかったが、今なら分かる。
この『魔導書』には暗く、深い、まるで深淵のような魔力が眠ってる。
さて、装備出来るのか?
【『魔導書』を装備しますか?】
おっ!やっぱ出来るみたいだな。
もちろん、装備するぜ。
【『魔導書』を装備しました。装備ボーナスにより、闇系統のスキルの効果が上昇します】
うっしゃ!これであの骸骨を倒せる可能性が上がったな。
【『魔導書』を装備した事により、『魔導書』の書名が閲覧可能になりました】
ん?書名?
この本、名前あったんだな。
んじゃ、この本の書名を見せてくれ。
【『魔導書』の名称が『ゴエティア〜深淵の章〜』に変更されました】
ゴエティア……ソロモンのやつか?
それに深淵って。
全くこの本は不思議ちゃんだな。
「高嶺君、その本はなんだい?随分と高そうだね」
美鶴技が『魔導書』……じゃなかった『ゴエティア』をまじまじと見つめた。
「んあ〜、なんでしょう。俺の武器ですよ。詳しい事はまた後で」
俺はやっと爆風が収まった校庭を見た。
そこには黒コゲになりながらもピンピンしている骸骨が俺を睨んでいた。
「先ずはあいつを倒しましょうか」
俺は骸骨のステータスを見た。
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名称:アラン・グレート
種族:レッサー・リッチ
状態:憤怒(小)、魔力消失(中)
装備:
【暗魔のローブ:Bー】
【深淵の杖:B】(レプリカ)
LV:31/70
HP:499/640
MP:340/855
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HPはそこまで削れてないのに対し、MPの消費が異常に多いぞ。
状態異常の【魔力消失】が関係してるっぽいな。
状況的に見ると、腕を欠損したからだな。
多分だが、人間で言う流血だな。
血の代わりに魔力が流れてるって訳か。
それなら好都合。
骸骨のステータスは強いが、魔法が使えなくなった骸骨よりは俺たちの方が強い。
勝算はまだある。
ついでに自分のステータスも見とくか。
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名称:高嶺慎護
種族:人間
状態:通常
クラス:アプレンティス・ウィザード
装備:
【ゴエティア〜深淵の章〜:S】
LV:23/40
HP:214/296
MP:79/429(358)
攻撃力:243
防御力:232
魔法力:452(377)
俊敏性:270
固有スキル:
【破滅の光】
特殊スキル:
【ステータス閲覧Lvー】【MP自動回復Lv3】
通常スキル:
【ダークバレットLv3】【ディメンションLv2】
【ホーリーバレットLv3】
称号スキル:
【魔導書の主Lvー】【魔王の片鱗Lv1】【下剋上Lv1】
【魔導師Lv1】【棒術師Lv1】【約束された才能Lvー】
【虐殺Lv2】
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うんうん。
強くなってるな。
さてと、準備完了だな。
「ふふっ、それじゃあ……死ぬ気で勝とうか」
美鶴技の号令で俺たちは戦闘体制に入った。
ミッションはもちろん、骸骨討伐だ。
「いくよ!」
「うっしゃ」
「あぁ」




