エピローグ
薄暗い施設の中にひとつの足跡が聞こえた。
ーーどこだ。
足跡の主はある扉の前で足を止めた。
「見つけた」
そう言うと扉に手を当てた。すると扉に無数の亀裂が入り粉々に粉砕した。刹那、警報が作動し警備員らしき人達の足音が聞こえた。
「ち、もうバレたか」
そう言うと足跡の主は扉の奥に向かった。そこには1人の少女がいた。
「やぁ、可愛いお姫様。ここから出してあげるよ」
そう言って少女に近くと少女は震えた声で質問した。
「あ、あなたは?」
「僕は君を助けに来たいけない怪盗さ」
そう言うと少女をお姫様抱っこをしてその部屋を後にした。
「居たぞ!!」
ある警備員の声と同時に何十人もの警備員が追いかけて来た。
「ち、やばいな」
男はそう言うと耳に付けていた無線に話しかけた。
「助けはまだ?」
『もう少しで着くから待って」
「ちょっと不味いことになったからなるべく急いで」
『後3分程でそっちに着くから例の場所に集合で』
「了解」
そう言うと無線を切って、男は上を目指して階段を上がった。
警備員に追われながら男は屋上に到着した。
「手を上げろ!!」
警備員にも追いつかれ完全に袋のネズミと化してしまった。
「さぁ、宴の時間だ」
男がそう言うと背後にヘリコプターが現れた。
「警備の皆さん、警備体制は厳重に」
そう言うと少女をヘリコプターから姿を表した者に引渡し、男もヘリコプターに乗り込んだ。
「では、諸君アディオス!!」
そう言って男が乗ったヘリコプターは闇夜の世界に姿を消した。