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娘に嫌いと言われたら。。。

作者: 恵海

「わたし、大学のカウンセリングを受けてるんだよね、実は。」

そんな情報をなぜ伝えるのか、理解に苦しんだ。だって言うとめんどくさくなるだろうから、病院に行ったらそれは言わないというのだから。気を引きたいのだろうか、大学生にもなって。そういう子供らしいところのある子だったのは確かだ。では母親としてどういうのが正しいのだろうか。私は母親に向いていないので全く分からなかった。


思い返してみれば、私は母親という役割に全く向いていなかった。子供は生き物だから自分の思い通りにならないし、私の生活リズムを乱してくる。私は自分勝手なもんだから、それに対してイライラしかぶつけることができなかった。なら子供など生まなければよかったといわれるだろう。その通りなのかもしれないと思うことはよくある。


こうやって思うにつけ、私は普通に見られたかったのだろう。なぜなら大抵の人が担っている母親というものを担えないから。さっき言われたのは、娘は子供のころ、言うことを聞かないからと言って私に髪の毛を切られて、それを最近友人に話したら驚かれたと言っていた。なるほど、黒歴史だな、わたしの。


母と娘という関係はどんなものを普通と呼ぶのだろう。普通が知りたい。

例えば、私たちは、旅行に行ったりもする。京都に行った時のことだ。

母の誕生日に書いたコメントをここに残す。

プレゼントは子供のころからずっと手紙で寄こすよう、母はいつもそれを望んだ。


「ママへ

お誕生日おめでとう。ようやく本当の50歳になれたね。ずっと50歳って言うもんだから、

いつになったらなるんだろうって思っていたよ。

全然50歳には見えないので、これからも若々しい姿で頑張ってね。」


母のようになりたいと思っていた。私の顔はのっぺりとした、一重瞼の、鼻も口も小さい、地味な顔立ちだったから。小学生のころから

「お母さん、キレイだね。全然似てないね、血つながってないんじゃないの?」

よくそう言われた。

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