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うちのダンナ詩集

逝ってしまった大魔王との思い出

作者: 陸 なるみ

私の大好きな大魔王さまへ




名探偵に恋した文学少女は

人生を迷いに迷って

海峡のあちらとこちら

それを捕まえたのはあなただった

国境知らずの不思議なあなた


ロンドンで働くサラリーマンと思って

嫁いでみたら大魔王

必殺技は私を甘やかすこと

都会でしか手に入らないおにぎりを

定時後寄り道持ち帰る


魔王様の住む田舎町には何もなく

お気に入りの暇つぶしは

近くの海辺へ出かけること

あなたは浜辺に寝そべって

容赦ない潮風と陽を浴びる


側女の私は日焼けし過ぎないよう

身を挺して陰をお作りした

投げ出された足

つま先の向こうに水平線

立ち上がる入道雲


頑固一徹大魔王のくせに

家のどこに居ようとも

私の動きを追っていた

片眼を瞑って眺めていた

まるで眩しい聖女であるかのように


私が森の動物園へ働きに出かけても

忍者のように気配は付いてくる

あなたは私に魅せられていた

私はあなたに手を引かれている

逝ってしまってもそれに変わりはない


私は魔王様のコントロールから解けたくない

外れたくない


このままでいいから縛っていてほしい






挿絵(By みてみん)


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i517735
バナー作成:秋の桜子さま。ありがとうございます。
― 新着の感想 ―
[良い点] 片眼を瞑って眺めていた ここに大魔王のヒトトナリが集約されてる気がする。 たまらん [一言] レビューから飛んで来ました。 最後も良いです。切ない。 さりげない愛って 好きだー
[良い点] 旦那様と陸さんの互いの愛情が伝わるお話ですね。 これだけパラパラのワードをつなげて小説を書き上げるのも、凄い執筆力でございました。 キーワードのはめ込みもお見事です! 優しい大魔王は違…
[良い点] こんなことを言うと怒られてしまうかも知れませんが、ボンクラは陸さんのご主人との思い出にまつわる話を見ると、ホッとなごやかな気分にすらなるのです。 それは恐らく、独身のボンクラから見て、「せ…
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