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第6話:実験はじめます

説明がクドいんですよね

うまくやる方法はないかなー

 

 俺が帰るための手段を探し始めてひと月が経った。響也に見つけてきたくれた資料を音読してもらったり、パワースポットと呼ばれる場所や心霊スポットと呼ばれる各地を巡った。


 そこでいくつか得られたものがあった。一つ、神隠しと呼ばれる事件は発生場所が同じ場合が多い。二つ、心霊スポットやパワースポットと呼ばれるものの中に魔力を感知できた場所があった。三つ、過去に魔法を使用したのではないかとされる文献があった。


「魔法現象が確実に発生している。」

 俺は核心を得た。


「確かに……。神隠し事件の発生場所のほとんどが、お前が魔力を感じたスポットだったからな」


「あとは魔法を使用したとみられる文献だが、これにも共通して出てくるものがあった」


「予言とか、お祓いとか、そういう魔法ってあるの? 魔法を使った様な文献ってそういうのばっかだったけど」



「基礎魔法にはないな。あれは火を出すとか水を出すとかそういった自然現象しかでききない。ただ……固有魔法だとすれば話は変わってくるな。それにそういった文献に必ず出てきた石。これは確実にこちらの世界で魔法を使う為のカギになるなにかだろう」



「石についてはなにも記述が無いもんな。少し積みかけている気もするが……」



「まったく糸口がなかった頃よりは進んでるさ。響也、この後パワースポット巡りをしたいんだが、時間は大丈夫か?」



「お、いいぞ。けど、魔力がある場所がいくつかあるのは分かったのに回ってどうするんだ?」



「また実験してみたいことがあるんだ。正直、俺が魔法に失敗したのにも腑に落ちない点があるんだ。し、失敗した言い訳探しじゃないからな……」



「今の余計な一言は言わない方がよかったな。使用人に車を出してもらってくる」

 響也に思いきり笑われてしまった。



 毎回乗っていて思うが、この車という箱はすごいな。ものすごいスピードで移動することができ、馬車よりも安定感がある。馬と違い燃料さえあれば休まず運用できるのも素晴らしい。元の世界に戻ったら、魔法技術の応用で作れないかぜひ検討したい。そうこうしていると1時間程で目的地についた。


「ついたが、いったいどんな実験をしたいんだ?」


「実際に魔法を使ってみようと思う。」


「!? 世界が違うから魔力が回復しない可能性があるとか言って今までは使わなかったのにか?」


「実を言うとな、魔造器官が魔力を生成する構造が解明できてないんだよ。食事などして得たエネルギーを使っているのか、それとも外気から吸い込んだ魔力を濃縮しているのか。はたまたそれらとは全く関係のないものなのか。それがはっきりしていないからこちらの世界で使うことは避けていたんだ。とはいえ、今回は使わないと調べられない事を知りたいからな。それにせっかくだから響也も魔法を見てみたいだろ?」


「確かにせっかく異世界の魔法がある所から来た奴がいるのに一度も魔法を見れないってのはちょっと微妙だったしな。正直かなり興味はあったんだ」

 そう言って興味津々な顔をみせる響也。どれ、ちょっと喜ばせてやろう。


「んじゃ、行くぞー!危ないから離れてろよー! "ファイアボール"」

 火球がボゥと音を立てて飛び去り地面にぶつかり、音とともに衝撃が走る。


「うわっ!結構威力出るんだな。地面が軽く抉れてるよ」

 かなり驚いてくれている。よかったよかった。


「今のが"ファイアボール"()()()の基礎魔法で一番簡単に覚えられるヤツだ」


「もう少ししょぼいかと思ったわ。一番簡単なのでも人に大けがさせられそうだな。で、これが実験なのか?」


「この魔法、簡単で威力もでるが遅いから使いづらいんだよ。すぐ避けられる。んで、実験の方はこれからやるんだよ。今のはお前に見せる為だけにやったの」


「さいですか。しかし、魔法って術名をいちいち口に出すんだな。向こうの世界ならいいけど、こっちでやると痛い奴認定されるな」

 響也は苦笑した。


「あー、口に出した方が失敗しないんだよ。戦闘で言うときは大体フェイントでほかの魔法打つよ。

 といってもそれができる奴はあまりいないんだけどな。魔法ってイメージを魔力で表現してるって感じだから口に出した方が形とか効果を表現しやすくなるんだ。だから熟練の使い手になればなるほど無詠唱で魔法は打てるし、さっき言ったようにワザと別の魔法の名前を呼んでフェイント掛けたりするんだ」


「へぇ、でもそれって相手も魔法の名前を知ってる前提になるよな……」



「魔導士って普通はほとんど戦わないからな……。戦闘用魔法は珍しいから大体みんな知ってるよ。さ、そんなことより実験だ。魔力が感じられる範囲の端まで行こう」

 5分ほど歩いて魔力が感じられる場所とそうでない場所の境まできた。


「えー、ここで実験をします。この魔力が感じられる場所から感じられない場所に向けてさっきの"ファイアボール"を放ちたいと思います。どういう現象が起こるか確認してみましょう」


「理科の実験みたいで面白そうだな」

 響也も興味を持ってもらえたようで何より。


「んじゃ、打つわ!"ファイアボール"」

 火球がボゥと音を立てて飛び去る。丁度、魔力が感知できるところの境から出たとたんにみるみる火球はちいさくなって最後は消えてしまった。俺の予想通りの結果になった。これでなぜ俺がこの世界に来てしまったのか分かった。


「消えたな……」

 響也が話しかけてくる。


「予想通りだ。これで分かったことがある」


「あ、俺も分かったかもしれないから言ってもみてもいいか?」

 どうぞとジェスチャーする。


()()()()()()()()()()()()?魔力を」


「その通り。おそらくこの世界、と言うよりは大地?が魔力を吸収してるんだ。そして吸われた魔力が感知できなくなる。そして俺が最初に門を開いたときに魔力が足りなくなったのも世界をつなげた結果、一気に魔力が吸い取られたんだ。そして足りなくなった魔力で無理やり魔法を行使した結果、異世界人を召喚するのではなく、魔力を持つ俺がこの世界に引っ張られる形になったんだ」


「だから魔力が吸われない空間で神隠しが頻発したわけか」


「その座標なら召喚失敗しないからな」

 と俺は響也の発言に続ける。


「これで元の世界に帰れるわけか。やったなカイト!」

 と嬉しそうにしている。


「いや、おそらくまだ無理だ」


「なんでだ?」


「最初に俺が魔法を使用したときに魔法陣にこっちの世界の言語が浮かんだ。そこに書いてある内容は読めなかったが理解はできた。座標や対象、それから召喚対象の言語認識を自動で変換するなどしていたんだが、そこに時間の要素もあったんだ。おそらくだが、俺が来た場所で魔法を使用しないと元の世界でも別の時間に飛ぶ羽目になる。下手したら大昔やものすごい先の未来まで。

 後はあくまで俺の魔法は"召喚魔法"だ。転移魔法じゃない。こっちに来たのは偶然のようなもの。それをどうにかしないと元の世界には帰れない。悪いな…せっかく喜んでくれたのに」

 本当に申し訳なかった。せっかく喜んでくれたのもそうだが、いつまでも響也におんぶにだっこしてもらっている自分が悔しかった。しかし、そんな俺の考えを響也は一蹴してくれた。


「まぁ、でもだいぶ進んだだろ。あとちょっとじゃないか。それに、不謹慎だが、友人がもう少しこっちに居れる事を喜ぶのは駄目か?」


「ありがとう。恩に着る」



 こうして俺は帰還への道を着実に進めっていった――





評価していただけると励みになります。

辛辣でも構いませんのでよろしくお願いいたします。

少し修正しました。(19/09/25/22:10)

この修正報告って前書きでやった方が良いのかあとがきでやった方が良いのかよく分かりません。

知ってる人がいたら教えてください。

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