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第5話:作戦会議はじめます

ギャグ入れたいんですけど…

あれ、かなりセンス必要で難しいですよね(絶望)

 ――俺は響也という少年に助けられ、衣食住を提供してもらった。こちらの世界で彼の厄介になってから3か月ほど経過し、その間、何もしないのは気が引けたので使用人の手伝いをして過ごした。その空いた時間に響也から言葉を教わり、驚くべきスピードでこちらの世界の言葉が話せるようになったのだが、これには言語の認識の力が大きかった。そして、流暢に話せるようになったからにはこちらの世界へ来た経緯を話そう、そう思い響也に声をかけたのだった。



 俺は固有魔法が元の世界でどういったものなのか、そして「境門召喚ゲート」という固有魔法を創ったこと、その魔法の発動に失敗した結果こちらの世界にたどり着いたことを説明した。


「それでこっちに来たのか…話を聞く限りだと召喚対象がアイツだったみたいだな」


 アイツとはこちらの世界で初めて会った少年の事だ。響也が言うには悪魔召喚をしようとしていたらしい…詳しい話を聞くことはやめた。少年の件についてはもう解決したそうだが、それを話す響也は少し寂しそうだった。



「俺が固有魔法を使った事と偶然タイミングが重なったんだろうな…とはいえ、本来は呼び出す魔法で逆に呼び出されるとは不思議なもんだ。」

 と苦笑まじりに話す。


「かなり余裕そうだが、向こうに還らなくて大丈夫なのか?」


「まぁ、余裕そうというのは間違いじゃないよ。お前に会えたのは幸運だった。衣食住に困らないのはかなり助かっている。ただ、帰る方法に関してはかなり手詰まりな気がしている。というか聞きたかったんだが、俺みたいなのを無償で食わせてやってるって大丈夫なのか?」

 俺は響也に一番の疑問点を聞くことにした。


「それに関しては気にしなくていい。もともと金持ちだし……というか俺のワガママはほとんど通るんだ。ま、二十歳になったら自由がなくなる代わりの報酬みたいなもんだ」

 響也はこの世界でも有数の貴族らしく、二十歳になったら家を継がなければならないらしい。その代わりといっては何だが、結構ワガママし放題とのことだった。


「あと2年で自由に出来なくなるからな…その最後にカイトみたいな面白いやつに関われたのは俺の中では大きい出来事だな。せっかくだし帰るための協力も惜しまないよ。」


 俺は響也がさらに協力してくれるという事に驚いた。


「衣食住まで助けてもらって、その上、帰還の方法を探すのにも協力してもらえるとは正直申し訳ない気持ちでいっぱいだ。何か返せればいいんだが、生憎と殆ど何も持ってないからなぁ…」



「返さなくていいよ。さっきも言ったけど殆ど道楽みたいなもんだし。俺の玩具にしてる部分もあるからな。さて、どっから調べていく?」

 楽しそうに笑いながら響也そう言った。



「少し気になってることはあるんだが、この世界に来てから外に魔力を感じない。この世界は魔力が無いのだと思っていたんだが、そうするとおかしい点が一つある」


「どういう事だ?」


「魔力がなければこちら側の人間を召喚することもあちら側の人間がこちらに来ることもできない。」


「? ? ? ? ?」


「空間に穴をあけて世界同士をつながないといけないんだ。物や人を通すために。でもその穴は魔力がないと作れない訳で、魔力が無いという事は魔法の法則が通用しないことになる。つまりこちら側の世界に穴をあけることができないんだ」



「でもカイトはこっちに来てるよな」



「そう、それなんだ。魔力が存在しなければ魔法法則は起こらない。つまりこちらにも魔力があるはずなんだ。でも、こちらの世界に魔力を感じない…… 少し実験をしたいんだが、背中を触ってもいいか?」



「男に触られるってちょっと嫌だな」

 響也はそう言いながらも上着を脱いだ。



 響也の背中に手を当てる。

「俺だってやだよ。とはいえ調べる必要がある……やっぱりな」

 やはり予想通りだった。背中から手を放す。


「やっぱりって?というかもう服着ていいか?」


「ああ、着て大丈夫だ。今背中を触って調べたのは魔力を生み出す生体器官をチェックしてたんだ。これは目に見えない器官なんだが、触診すると魔力を感じることができる。今、お前の背中を触ってみたが、やはり魔力を生み出す器官が存在している」


「魔法が使えない世界でも魔力を生み出す器官は存在してもおかしくないんじゃないか?」


「いや、それはありえない。魔法が使えないならそんな臓器はいらないだろう。生物は必要に応じて進化している。魔力の無い世界の生物には魔造器官は存在しないよ」


「そう断言できる理由が分からないんだが、だって魔力の無い世界に行ったことはないわけだろ?」


「魔術ギルドの研究論文にあったんだよ。無魔空間で生物を育てるとどうなるかってのが……結論として魔造器官が作られなかったんだ。人間でも実験しようって声が上がったが、魔法が生活に根付いてる世界で流石にそれに志願してくれる人はいなかったけどな……」


「こちらで言う科学みたいにそっちの世界でも魔法が研究されてるんだな。正直、武術流派みたく門下に技術を伝えていくだけかと思ってたよ」


「基礎魔法とかはみんなが使えるからな……研究してどんどん便利になった方が良いに決まってるだろ? ただ、固有魔法は本人だけのオリジナル要素だから、あんまり人に見せたり教えたりしないな。そのオリジナルを初めて使って失敗したんだけどさ……」

 笑いながらそう話す。


「笑えねぇ…… まぁ、とりあえずこちらの世界で起こった不思議な事件をまとめた資料は集めとくよう使用人に話しておくよ」


「助かるよ。あとは不思議な現象が起こる場所とかあったら行ってみたいな。もしかすると魔法的な現象かもしれないし……」


「分かった。その辺も調べにいこう!」


 こうして元の世界に帰還するために俺と響也はこの世界の調査を開始した――





すこし修正しました。(19/09/24/18:52)

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