真実
「僕の奴隷主殺害事件は1週間前のことで、その日は
雨がひどく降る真夜中でした。
夜行性だった奴隷主は研究室にこもってみかんの品種改良の研究をしていました。
甘党の奴隷主の為に僕はいつものようにお菓子の夜食を研究室に持って行きました。
そして、ドアを開けると見てしまったのです。
ダルナモの部下が奴隷主を殺すところを。
僕は恐怖のあまり逆に冷静に
ダルナモになぜ奴隷主を殺したのか?
そして僕を殺すのか聞きました。
ダルナモは奴隷主がダルナモがみかんポーションの代金を滞納していることを理由にみかんポーションの
提供を拒否したので、製造方法のレシピを手に入れる
為に奴隷主を殺したそうです。
そして、個人的に奴隷主が肥満気味で不潔な見た目をしていたのも前から気に食わなかったそうです。」
確かに奴隷主の不衛生な見た目はオネエと女の子ウケ悪そうだなとその時、罰当たりなこと思ってしまいましたけど。
「僕はお菓子の腕前を気に入られていたので
奴隷契約を結ぶなら殺さないとのことだったのですが
、明らかな人格異常者とは奴隷契約を結びたくなかったのでみかん透明薬でなんとか逃げて来たんです。」
前世と変わらず美少年な僕はオネエと奴隷契約したら狙われそうで大変無理な話です。
奴隷主に感謝です。前々から役に立ちそうだと研究室からくすねた沢山のみかん薬が逃亡生活に役立ちましたよ。
「アレク君、まだこんなに小さいのに大変な思いをして、辛かったでしょう。」
リシェは母性本能がくすぐられ、アレクを抱きしめた。
「アレク、これからはお兄さんが守ってやるよ。」
スーはリシェからアレクを奪い抱きしめた。
まだ俺も抱きしめられたことないのにずるいぞ。
おええ、お姉さん柔らかくて心地よかったのに
お兄さん筋肉硬いし汗?臭いし早く離れて欲しいな。みかん爆弾使おうかな。
「えーと僕はこういうのエリア7の宿命というか孤児院育ちだし慣れてるから大丈夫だよ。」
アレクはスーを押しのけ、あっさり抱擁から逃れた。
「そうなんだ。私も孤児院育ちなんだ。今はどこの孤児院に所属してるの?」
「エリア7.7の孤児院だよ。」
「私と一緒だね。」
リシェとアレクは故郷の話で盛り上がったのでスーは蚊帳の外で寂しくなっていじけた。
「すごいね!その年で難易度の高い依頼を達成しないと所属できない最高ランクのエリア7.7に所属って。」