凶悪犯の正体
「あは、寝たふりしたのバレちゃった。」
僕の名前はアレク。うーん、転生前は銀髪のお兄さんより年上でどこかの国のパティシエだった。
顔は甘いマスクで女の子にモテて人気があった。
女の子に対して経験豊富な僕から言わせてもらうとお兄さん、せっかく顔はかっこいいのに攻めすぎ。もったいないな。
最初は紳士な顔しといて徐々にここぞという場面で大胆にせめればいいのに。
最初はさりげなく、迷子にならないようにとか言い訳して、手を繋ぐとかさ。コケそうになった時とか抱きしめたり、ボディータッチをいやらしくないように小出しにして、
女の子に私この人に触れられても嫌じゃない、好きなのかも
とか錯覚させる。
要するに純愛にみせかけたボディータッチが重要で。
僕なら男慣れしてなさそうなさっきの金髪のお姉さん、簡単に落とせるのに。
銀髪のお兄さん、お菓子屋さんでいい雰囲気の中で頭なでるのはなかなかいい線言ってると思うけど。
年に似合わずゲスい恋愛論について考えていた少年にスーは尋ねた。
「それで少年、お前はやったのか??」
「やった?せいてきな意味で?僕、転生前の世界で100人斬りしたけど、この世界ではまだ未経験だよ。」
「なるほど。転生前の世界では政敵を100人斬りか、
相当なチートだな。」
「うん、今は子供の姿だから100人斬りは犯罪だからお兄さんぐらいの大人になったらぜひまた100人斬りしたい。」
「異世界転生者のチートか、少年よ、相当危険な男だな。」
「そう、僕危険なんだ、夜のテクニックもすごくて。」
「夜襲するのか。」
「心配しないで、お兄さん。お菓子を奢ってもらった恩があるから、さっきのお姉さんは狙わないでおくね。」
話が全然かみあっていないのに不思議な夜中のテンションで2人の会話は朝まで続いた。
「おはよう!あれれ?2人とも目にクマ出来てるけどよく眠れたの?」
宿屋の食堂でだるそうな顔をしたスーとアレクがサラダをつついていた。
「リシェ、この子の名前はアレクと言って悪い奴ではなさそうだからしばらく仕事のパートナーとして契約させてもらった。能力は転生者持ち探索だそうだ。賞金首のほとんどが転生者だからかなり使えそうだろ?」
アレクとスーが楽しそうに和気あいあいとしているのを見てリシェは面白くないと感じた。
何よ。2人とも男だけの世界に入っちゃって。
「リシェなんとアレクは転生前はパティシエだったそうだ。リシェの為に美味しいお菓子を作ってくれるって。良かったな。」
「僕で良かったら、お姉さんのためにとびっきり美味しいお菓子を作りますよ。」
う、嬉しくなんかないんだから。
リシェは可愛らしいアレクの笑顔(アレクにとって可愛い女の子限定、必殺100人斬り獲物狩りスタイル)を見て癒され、2人の仲を許そうと思った。
「ところでアレク君、前の奴隷主を本当に殺したの?」
「あっそれ、俺も昨日聞いたんだけど、話がそれて違う話で盛り上がって。」
「ん?聞いてましたか?僕は殺してないです。
僕の奴隷主を殺したのはダルナモです。」