凶悪犯と遭遇
「さて、昨日逃した凶悪犯の情報も手に入れ、リシェの事も解決したし、本格的に少年を捕まえに行きますか。」
「本当に凶悪犯なのかしら。目撃情報がお菓子屋さんなんて、なんだか年相応で可愛らしいね。」
「う、俺甘いもん苦手なんだよね。リシェに好かれるためなら頑張って甘いものを食べ、おええ、、。」
スーはスイーツ有名店のお試しチョコを食べて気分が悪くなった。
「えーっと年相応の可愛らしさと言うか、スーはどっちかと言うとカッコイイ系というかお兄系だからお肉とか似合いそう。ルル君みたいな可愛らしさというかショタ味があるスイーツ男子って感じがしないよ。世の中にはギャップ萌とかあるけど。私は顔と中身は一致して欲しい派かな。」
「なんだか難しい単語が飛び交ったけど、とりあえずカッコイイというのは褒め言葉かな?」
スーは嬉しくなってリシェの頭をなでなでした。リシェはまんざらでもなさそうに嬉しそうにしている。
「お兄さん達、お熱いね。」
口いっぱいにお菓子を頬張った少年がニヤニヤしやながら言った。
「こらっ!坊や!勝手にお菓子の箱を開けて食べちゃダメでしょ。お母さん、お父さんは?」
ふくよかな年配の女性店員が少年を叱った。
「すみません、俺がこの子の父親です。母親は隣にいる女性です。この子が食べた者は弁償させていただきます。」
「ねえ、スーこの子、、。」
スーはリシェにウインクした。
「今はいい子だから俺に従って。」
「わかった。」
スーはチャンスとばかりとリシェの腰を抱き寄せたがリシェに払われた。
「ちょっとぐらい、いいじゃないか。」
「あんたがこの子の父親かい!全く最近の子は早熟な割には子供の教育がなってないよ。母親はあんたかい?若すぎるよ。一体何歳で子供産んだんだい?あんたも見たところ子供みたいじゃないか。男ってのは女は若ければいいのかね。熟女の良さをまるでわかっちゃいない。全く世の男どもは見る目がないよ。」
「マ、マダム、、。」
独身なのか世の中に対して愚痴をいいながら年配の女性の説教が続き、やっと解放された頃には夕方になっていた。
お目当ての少年はお腹いっぱいになって眠くなって寝てしまったのでスーがおぶって宿屋まで帰った。
「この子が手配書の少年なんて、なにかの間違えじゃない?」
「確かに、凶悪犯にしてはチョロすぎる。リシェがいなかったら男だし、情報屋に突き出してるところだが。」
「サイテー。情報屋に連れて行くのは、この子の事情を聞いてみてからにしない?」
「しょうがないな。面倒くさいけどそうしよう。しかし、そろそろ眠ることにしよう。なんだか疲れたよ。
おやすみリシェ。宿の部屋は2つとっといたから隣の部屋へお行き。あっそれとも俺と一緒の、、。」
「おやすみなさい。」
リシェは慌ててドアを閉めた。
「お兄さん達、素直なのか素直じゃないのかわからないね。」
スーの横で寝ていたはずの少年が目をパチクリさせて言った。
「ほうほう!少年、なかなかやりおるな。
タヌキ寝入りしてたのか。」