みかんデート
昼下がり、2人はみかんデザートで有名なカフェでお茶をしていた。
「ごくりっ、、こ、これが、幻のみかんという果物なのね。」
リシェはみかん盛りだくさんのパフェを目の前に喉を鳴らした。
「あー貧民街には支給されないんだよね。どーぞどーぞ!ここのエリアにしか育たない高級食材みかんを好きなだけお食べ。ふふっ俺もこんな可愛い女の子と
デート出来て嬉しい。」
どちらも少し照れ笑いながら言った。
「本当に、いいの?昨日、助けてもらった上に人気店のみかんパフェも頂いてしまって。みかんという食べ物!美味しすぎる!なにかお礼を、」
「もちろん、全然いいよ。喜んでもらえて嬉しいな。しかし、どーしてもというならからだで、、。」
リシェは慌てて話を遮った。
「ところでスーは職業、賞金稼ぎだっけ?昨日は仕事の最中に私を助けてくれたとか?あんな路地裏、普通の人は通らないだろうし。」
「そうそう!忘れてた。この子を追ってる最中だったんだ。」
スーは手配書をシェリに見せた。
手配書には幼い可愛い金髪の少年が映っていた。
「なにこの子、まだ幼い少年じゃない。スー、ひどい。極悪非道なのね。」
「うーん、酷い言われようだな。この子はチートな能力持ちで奴隷だったんだけど奴隷主殺害の容疑で逃走中なんだ。このエリアにとっては治安を乱す危険人物なんだよ。まあ賞金金額は半端ないから美味しい話だけど。リシェも細かい事は聞かないけど訳ありで報酬金額半額だっけ?お金が必要なんでしょ?」
「うん、お金があれば貧民街出身でもまともな奴隷主を自分で選べて幸せな生活を送れるから。」
「俺がリシェの奴隷主になろうか?贅沢させてあげるよ。ついでに嫁にも、、」
「ありがとう。でも私、心に決めた人がいるから。」
「その幸せもん、誰?」
「えーっと、細かいことは聞かないんじゃないんだっけ?」
「あーっと、人の恋路を邪魔するやつは別だ。
ところで、リシェ、前の依頼主の依頼期限そろそろ過ぎてるんじゃないか?このエリアにいられなくなるぞ。俺と契約し直さないと。」
「奴隷契約じゃないなら喜んで!」
「ぐぬぬ。いつか、必ずリシェからあなたの奴隷にして下さいと言わせてやる。
おーけ!仕事の契約で期間はえーとこれでいいか。」
スーは貧民街出身者に付けられる首輪に市民カードを通してリシェとの契約情報をインプットさせた。
「契約期間、無期限って!?スーって相当稼いでるのね。」
「まあな!さあ、腹ごしらえが終わっただろ。この少年の手がかりを見つけに行こう。」