謁見の間にて
謁見の間にて王の目下に4人の王位継承者が並ぶ。
並びの順番は1番左端にやる気のない放蕩王子スー、
その隣には野心に溢れる女性人気ナンバーワンの王子の風貌を備えたリーフ王子、
そして、その隣には赤髪の紫の瞳の賢く美人だが高飛車で傲慢な女王様気質のユリア姫、
1番右端は他国へ留学中で自国では評判皆無の
ミステリアスな黒髪の紫の瞳のセチア王子
で控えている。
荘厳な雰囲気の中、王は言った。
「おもてをあげい!早い者勝ちじゃ。ユリア!発言を許す。」
「父上、ご無沙汰しております。」
「いの一番はユリアか!遠方からはるぼるご苦労じゃった。」
「父上の御命令とあればどこへでも馳せ参じます。」
「そうか、そうか。良い心がけじゃ。」
王の1番のお気に入りがユリア姫で理由は寵愛した亡き妃に瓜二つだからだ。
「父上ご無沙汰しており、、。」
「うむ。あとは、挨拶はもう良い。」
リーフ王子が発言したが、途中で遮られてしまった。
「うふふふっ。」
ユリア姫が笑いをこらえて肩がふるえる。
ユリア、君に決めた。1番に蹴落そう。
「さて。今回、皆を呼んだ理由は、既にわかっておると思うが、次の王位継承者を伝統に沿って選ぶためじゃ。」
「まず、皆に服従の首輪を授けよう。
首輪の色は今は自身の髪の色になっているが魔法がかかっておる。
その魔法は、心から己以外を王と認めた瞬間、認めたものの髪の色に変わるような仕組みじゃ。
更に、その首輪にはGPSがついていて、どこにいるか、わしと王と認められたものが把握出来るようになっておるのじゃ。
そして、その首輪は王位継承者が決まるまで外れなくての〜やましい行動はバレバレじゃ。
また、首輪の色が全部統一の色になるまでか、ワシが死ぬまで王位継承者争いは終わらない。
ワシが死んだ場合、首輪の色が多いものが王となる。
しかし、王族殺しは重罪じゃ。よって殺生したものは王位継承権から外し、国外追放とする。
以上じゃ。皆のもの下がって良いぞ。」
「「ははー!」」
「リーフ、伝統的な王位継承争いのゲームがまさかの正統派な選び方でびっくりしたな。血みどろな争いにならなさそうで安心したが、、、。しかし、大変だなリーフ。全員の首輪の色を金色にしないと王にはなれないぞ。」
「確かに予想外でびっくりしたが、人心掌握術を極めればこのゲーム、なんとかなりそうだな。現にスーもう首輪の色が金になっているのだが、、本当に真っ直ぐな性格だな。」
「言っただろ!俺の推しメンはリーフだって。あっ!夜は俺をGPSで詮索するの止めろよな。やましいとこ行くから。」
「おーけ、相変わらずだなスー。スーのことは全面的に信頼しているし必要な時にしか詮索しないよ。まあ父上にはばれるだろうが、、。」
「有難い。父上も大人だから思春期のこの葛藤をわかって下さるであろう。」
「それはそうとスー、なんであいつの首輪銀色になってるんだ。知り合いか?」
「えっ本当だ。なんで。つか知らない。今日会ったの初めてだし、喋ったこともないぞ。なんか怖っ。」
セチア王子の首輪の色が残り3人の兄弟と今日はじめて会ったのにもかかわらず、銀色に輝いていた。