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ダンジョンハッカー ~愛と絆の物語~  作者: 沙良
第一章『鋼の拳』
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第一話 『聖都マナスル』

「――――っ!」

 少女が目を覚ますと、そこにあったのは見慣れた天井だった。

 溢れる涙は頬を伝い、既に染みだらけの枕を濡らす。

「また、か……」

 パジャマの余り気味の袖で両目を拭い、少々乱暴に布団を剥ぎ取ってベッドに腰掛ける。重力に引かれ、ぼさぼさの黒髪が胸まで垂れ下がった。

 部屋にあるのは、ベッドと化粧台、本棚、そして作業用の机。最小限はあるが、部屋の広さを考えればむしろ収まりがいいと言えるか。小ぶりな本棚に仕舞われているのは冒険者向けの実用書ばかりで、大きな机の上には金属製の巨大なガントレットが片腕ぶん。おそらく寝る前に整備を済ませたのだろう、その表面は傷だらけでありながらもよく磨かれている。

 年頃の少女が一人で住むにはあまりにも殺風景、生活感が足りない部屋だが、ダンジョンに挑む冒険者――ハッカーが一人で住むとすれば、なるほど、ちょうどいい簡素さだった。

 ハッカーの少女はしばらく俯いたままじっとしていたが、ため息をついて立ち上がると目の前のカーテンを乱暴に開いた。

 朝日を遮るものがなくなり、部屋の光量が一気に上がる。窓の外、突き抜けるような青空に浮かぶ太陽は早朝だと言うのに力強く輝いており、端正な顔を正面から照らされた少女は眩しさに目を細める。

 少女は暫くそのまま朝日を眺めていたが、おもむろに振り向くと窓に背を向けベッドを乗り越え、気怠い足取りでゆっくりと洗面所へ消えていった。


 少しだけ日が昇って。

 先程の少女は大通りを一人で歩いていた。

 その体には要所が金属で覆われた身軽そうな防具を着込み、伸縮性のある布のような素材でできた道具袋を背負っている。背筋を伸ばし、ブーツで石畳を踏みしめるその姿はいかにもハッカーといった装いだ。その表情もきりっとして生気に満ち溢れており、寝起きの不機嫌そうな表情は影も形もない。机の上にあったガントレットは着けていないが、道具袋の膨らみ方からしてこの中に入れているのだろう。

 少女がふと見上げた先、街の中心にある巨大な水晶の柱が太陽の光を受けて虹色に光っていた。この神々しく輝くクリスタル――『聖結晶』は、ただの飾りではない。

 この『マナスル』と呼ばれる街は、危険な魔物が跋扈するこの世界において、数少ない安全な領域だ。その理由こそが聖結晶、正確にはそこに宿る神の力なのだ。

 聖結晶に宿る『マナ』という名の神が人々を守っているのだと言われており、魔物はこの聖結晶に近づこうとしない。人々がその力の及ぶ範囲で安全に暮らそうと集まったのがこの街だ。マナスルという名も、このマナ神が由来になっている。

 マナ神を崇める教団が中心となって街を管理しており、ハッカー達がダンジョンから持ち帰ってくる物資の活用と分配も彼らが担当している。

 ハッカー達の働きもあり街は少しづつ豊かになっており、人口も緩やかな増加傾向だ。唯一、聖結晶の力の及ぶ範囲ということで街の面積だけは広がらないのだが、現状でも農地や放牧地などを確保した上で土地は余っており、その心配はしばらく要らないという。

 石造りの建物に石畳の道と石材尽くしの街なのだが、その色や質感には統一性がない。これはダンジョンから持ち帰られた資材をそのまま使っているからで、石の中に金属が混ざっていることすら珍しくない。さすがに継ぎ目が段差になるほど雑な仕事はしていないはずだが、

「おっとと!」

 素材の耐久性の差から、多少の高低差は生まれてしまうようだ。

 荷車を引いていた男が躓き、バランスを崩す。転びはしなかったが、積荷の金属パイプが一本、荷車から転がり落ちてしまった。

 転がったパイプはハッカーの少女のほうにカラカラと音を立てながら転がり、待ち構えていた彼女にキャッチされる。

「おはようジョニーさん、大丈夫? はいこれ、足元には気をつけないと」

「おう、おはようレーヴェちゃん、ありがとな!」

 ジョニーと呼ばれた男は礼を言い、小走りで駆けて来たハッカーの少女――レーヴェからパイプを受け取る。

「こんな時間から起きてるってこたあ、今日も潜るのかい?」

「もちろん! それが仕事だしね」

「がはは、そりゃそうだ! でも気ィつけろよ? 俺がここで転んでも怪我で済むが、レーヴェちゃんがダンジョンで転んだら大変だ!」

「言われなくてもわかってますー! でも、ありがとね」

 笑いながら手を振り、レーヴェはその場を後にした。 


「おうレーヴェ、遅かったじゃねえか。なんだ、寝坊でもしたのか?」

 レーヴェが扉を開くなり、店の奥から軽薄な声が響く。

「おはようエリック。約束の時間には遅れてないはずだけど?」

 声の主――エリックの姿を認め、面倒そうに返すレーヴェ。そのまま広い店内に所狭しと並んだ木製のテーブルたちの間を縫い、一直線にエリックのほうへ歩いて行く。

 ここ『エルブルース』は食事処だ。酒も出すが、陽の高いうちはそれがメインではない。元ハッカーの店主が経営しており、彼の知り合いから口コミで評判が広まった結果、ハッカー達のよく集まる店になった。そういう店はこのマナスルには何軒かあるのだが、このエルブルースもそのうちの一つだ。

「ああ、でもお前さん、約束の時間よりもだいぶ早めに来るタイプと思っててな。ほら、前もそうだったろ?」

 このエリックという金髪の少年もハッカーで、普段は『ガーデニア』というクランの一員としてそのメンバーと共にダンジョンに潜っている。少々派手に跳ねた髪型と軽い態度、若い年齢から誤解されがちだが、腕は確かで人に合わせるのも上手く、クラン外の人間と組むことも少なくない。

 今回もクラン未所属のレーヴェとダンジョンに潜るということで、彼女に頼まれているのだ。

「よくそんな昔の事覚えてるのね。……ちょっと嫌な夢を見ただけよ。待たせて悪かったわね」

「怖い夢でも見たってか。はは、お前さんの口からそんな子供らしい……いや待て、落ち着け、悪かった。悪かったよ」

 どこからか取り出したダガーを突き付けられ、引き攣った顔で両手を上げるエリック。

「……ふん、次があると思わないことね。そもそもあなたとは三歳しか離れてないでしょう」

 不機嫌さを隠さないまま、乱暴に席に着くレーヴェ。年季が入ってはいるが頑丈そうな椅子が、わずかに軋んだ。

(オレもまだ十七だし、三歳『も』離れてんだよなあ……)

「なによ、言いたいことでもあるの?」

「いーえ、なんでもございません」

 ダガーを突き付けたままの少女に対し、エリックは内心で反論しながらも両手をひらひらさせて降参の意を示す。

 そこで両者の間に、皿を持ったゴツい手が割り込んで来た。

 皿に乗っているのは長いパンに肉を挟み、一口大に切った料理。

 だいたい一本で一人前なのだが三本ぶんくらい乗っているようで、そもそもの量が多めなのもあって皿から溢れそうになっている。

「ほらよ、ご注文の肉サンドだ」

 エルブルースの店主――顔の下半分を覆うワイルドなヒゲを生やした、スキンヘッドの大男が、エリックの前に皿を置く。顔も体も厳ついが、親しみのある笑顔のおかげなのか、不思議と威圧感は全くない。

「お、待ってました! マスター、ついでにナイフとフォークも貰えるか?」

「ああ、そうだろうと思って持ってきたぜ」

 エリックの頼みに、肉サンドの乗った皿を顎で示して返す店主。よく見ると、肉サンドの山に埋もれるような形でナイフとフォークが用意されていた。

「サンキュー! 気が利くねえ」

 上機嫌でナイフとフォークを手に取るエリック。

 一方、店主はレーヴェのほうを向き、

「ところで嬢ちゃん、ここは楽しく食事する場所なんでな。まあ多少の喧嘩くらいは仕方ねえが……厳しくしねえとうるさい奴らが多くてな。そういうのはしまってくれや」

 左手に別の料理の皿を持ったまま、右手でレーヴェのダガーを指差す。

 怒気こそ無いが、先程までの笑みは消え失せ、口調も真面目そのものだった。

「……ごめんなさい」

「よしよし、いい子だ。すまんが、女の子だからって特別扱いするわけにはいかないんでな」

 素直に謝ってダガーを収めたレーヴェを見て頷き、いつもの笑顔でその場を去る店主。

 レーヴェはしばらく店主を目で追った後、居心地が悪そうに目線を落とす。

 店で武器を抜くのはダメだとわかっているのに、自分はなんて軽率なのか、などと考えながらふさぎ込むレーヴェに、

「おーい、レーヴェ? 大丈夫か?」

 エリックが声をかける。

「なに、よ……」

 考え込んでいたところに突然話しかけられ、反射的に怒鳴りかけたレーヴェの目の前には、

「ほら、食うか? どうせ腹減ってんだろ」

 自分に合わせて半分くらいの大きさに切られた肉サンドが差し出されていた。

「……ありがと」

 目を合わせないままお礼を言い、差し出されたフォークごと奪い取って食べ始める。

 エリックはそれを見ながら皿を少しレーヴェのほうに寄せ、

「オレの分もあるんだからな、食いすぎるなよ?」

 残った肉サンドを半分に切っていくのだった。


「つうわけで、だ。今日潜るスノーホワイト山の大遺跡……通称雪山ダンジョン。お前さんも知っての通り、こいつは珍しい二層式の遺跡でな。雪山の下部とその麓に広がる『森林の第一ダンジョン』と、雪山の中腹から始まる廃墟部分の『死都の第二ダンジョン』に分かれてる。廃墟部分になると急に魔物が強くなるってんで、廃墟部分だけ立ち入りが制限されてるわけだ。将来有望な冒険者たちを無駄に死なせたくないってこったな」

 仲良く朝食を食べた後、二人は今日の予定を確認していた。

「森林部分は初心者向けって感じでそれこそ一枚羽が単独で入っても大丈夫なんだがな。廃墟部分は具体的には本人が三枚羽以上、もしくは四枚羽以上の人間の付き添いが必要と。それ以上のタグを持ってさえいりゃ安全ってわけじゃないんだが、ま、入場制限としちゃ妥当なとこだろうよ」

 タグとは教団が発行する本人証明のようなもので、同時に持ち主のハッカーとしての腕前も示している。タグから生えた羽の枚数が多いほど高ランクとなっており、最高は六枚。羽の枚数に応じて入れるダンジョンや使える施設が増えていく。

 一枚羽『シングル』。覚悟の証。登録すれば誰でも貰えるタグだが、ごく限られたダンジョンにしか入れない上に多くの場合誰かの付き添いが必要など制限が多い。

 二枚羽『ツイン』。一人前の証。単独でダンジョンに入れるのはここから。

 三枚羽『トライアングル』。熟練者の証。ほとんどのダンジョンに入れるようになるが、帰って来ない者も一気に増える。努力すれば誰でも到達できるが、このまま引退する者も多い。一番人数が多いのもこのランクで、全ハッカーの約半数を占めるとも言われている。

 四枚羽『スクエア』。強者の証。努力だけでは到達できない領域。三枚羽の三割程度にはなるが人数もある程度おり、発掘のメインとなる層。

 五枚羽『クイント』。到達者の証。実質的な最高ランクで、行動に制限がなくなる。

 六枚羽『セラフ』。最高位の証。現在九人しかおらず、本人の能力ではなく教団からの指名によって決まっている特殊なランク。

「仮にも未踏破のダンジョンだしな。初心者向けの前半部分とは別物ってわけだ」

 言いながら、エリックは自分のタグを人差し指でくるくる回す。そのタグには白い羽が五枚――クイントの証だ。

「ま、私なら一人でも余裕なんだけど」

「はっ、言うじゃねえか。それでお前さん、羽の数は?」

「二枚です…………」

 じっと左手を見るレーヴェ。視線の先、その左手首に括り付けられたタグには二枚の羽が付いていた。

「まあ羽の数が全てじゃねえし、少なくとも戦闘力ってだけならお前さんも四枚くらいじゃねえかなとは思うけどよ、羽の数ってのはなんかそれだけじゃねえらしいしな。なんでも結晶神サマが常にオレ達を見守ってて、その実力で潜れるダンジョンに見合った枚数に調整してるんだとさ。実際オレもいつの間にか増えてたしな」

「わかってるわよ、だからちゃんとあなたを呼んだんじゃないの……不慣れっていうか、未熟なのは自覚してるし。でも仮にも五枚羽が一緒に潜るんだし、多分大丈夫でしょ?」

「信頼してくれるのは嬉しいんだが、自分の身はある程度は自分で守ってくれよ? 繰り返しになるがあくまでも未踏破のダンジョンだ。奥の方では五枚羽だって何人も死んでる。何が起こるかはマジでわかんねえからな」

「はーい、気をつけます……」

 しおらしくうなだれるレーヴェ。

(ま、オレもレーヴェもギア持ちだしそうそう死んだりはしねえとは思うんだがな……)

 背後に立てかけた大剣に目を向けるエリック。刃渡りだけでも大人の身長ほどある両手剣で、幅もそれなりにあるのだが長さに負けてシルエットはシャープな印象になっている。握り部分も刀身に負けず劣らす、どころかそれ以上に重厚で、この部分だけでもそこそこ大掛かりな装置にすら見えるほどだ。

 これが『ギア』と呼ばれる、ダンジョンから発掘された古代文明の遺産である。ギアというのは本来は魔術がインストールされた機械の総称なのだが、ハッカーが言う場合は専ら武器型のものをだけ指す。

 もちろん武器としての単純な性能も高いのだが、その真価はインストールされた魔術にある。

 そもそも魔術というのはギアを介さなければ使用できず、そのためのギアも現代の技術では複製すら出来ない。つまり、魔術はごく限られた人間にしか使用できないのだ。

 ギアには武器としての性能を強化・拡張する術式、敵を直接攻撃するための術式など、様々な魔術がインストールされており、その内容や種類、効果量などはギアによってまちまちなのだが、殆どの戦闘用ギアに共通している『身体強化』というものがある。ギアを起動しているあいだ常に効果がある魔術で、ギアによって差はあるが概ね持ち主の身体能力を五~十倍に引き上げる。特に耐久面への寄与が大きく、常人なら即死するような攻撃でも軽傷で済むようになるという。

 ギアの有無でタグが羽一枚ぶんは変わるとも言われており、事実、五枚羽以上の人間は過去を含めても例外なくギアの所有者だ。四枚羽ですらギア無しの人間はごく一部の例外だけで、四枚羽以上を『努力だけでは到達できない領域』と言わしめる要因の一つにもなっている。

「あら、そういえばそろそろ予約したポータルの時間じゃない?」

 そのまましばらく雪山ダンジョンについて話していた二人だが、店の時計を見てレーヴェが話を切った。

「お、そうだな。大体教えたしちょうどいい、ぼちぼち出るか」

 二人は立ち上がって荷物を纏め、食事の代金を置いて店を出るのだった。


 十分ほど歩き、レーヴェとエリックは街の外……ではなく、中心部に到着した。

 聖結晶のすぐ傍に建つ、街で一番大きな教会だ。

「いやー、いつ見てもでけえよなあ」

 手をかざして聖結晶を見上げるエリック。実際、下から見上げても巨大すぎてどこまで伸びているのか見えないほどだ。

「ほら、予約してるんでしょ? 時間過ぎたら次いつになるかわからないんだから」

「悪い悪い、今行くって」

 レーヴェに少し遅れてエリックも扉をくぐり、

「おはようございます、ハッカーの方ですね。ご用件は何でしょうか?」

「あー、ポータルを予約してたエリックって者です、おはようございます。もう使えます?」

 笑顔で出迎えたシスターに要件を伝える。

「エリックさん……スノーホワイト山行きのポータルをご予約のエリック様と、レーヴェ様でお間違いありませんか?」

「はい、間違いないっす」

「かしこまりました、少々お待ち下さい。――大丈夫です、こちらへどうぞ」

 柔らかな笑顔のまま予定を確認し、二人を案内するシスター。

 二人は慣れた様子でシスターの後を付いていく。シスターが『ポータル:Ⅳ』と書かれた扉を開け、シスターに続いて二人もその部屋に入る。

 部屋の中にあったのは、聖結晶の一部……正確にはこの部屋が聖結晶に食い込むような形で作られており、部屋の中から直接触れられるようになっているのだ。

 これが『ポータル』と呼ばれる施設。聖結晶の力、いわゆる『神の奇跡』の一つで、距離に関係なく瞬間移動できる。ほとんどのダンジョンの入り口付近には教団の手によって『枝』と呼ばれる聖結晶の欠片が設置されており、枝と本体の往復が出来るようになっている。一度本体と枝の両方に触れる必要があるため、初めて行く場所には使えないが、ダンジョンを探索するハッカーたちにとっては無くてはならない仕組みの一つだ。起動できるのは神の力の代行者たるシスターだけだが、往復がセットになっているので帰りの心配はない。

 シスターが聖結晶に触れ、祈りの御言葉を二言三言呟くと、床に描かれた魔法陣が光りだした。

「では、行ってらっしゃいませ。貴方達にマナ様のご加護があらんことを」

 シスターが聖結晶から離れ、入れ替わるようにレーヴェとエリックが聖結晶に触れると、シスターを残し、二人の姿は部屋から消え去った。

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