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欠片。

作者: Enpy

それは小さな欠片だった。

心の隙間に入るには随分と歪な形ではあったが、僕はそれを受け入れた。


欠片の持ち主は到底釣り合うことのない可憐な少女。

彼女はその琥珀色の眼差しで僕を魅了した。


欠片だけでは物足りない。

彼女そのものを愛したい。


彼女と距離を縮めるたび、僕は想いを馳せた。


僕は問う。

「なぜ君は、僕と向き合ってくれないのか」


彼女は応える。

「あなたは私の心を埋められるの」


愛想。


僕が受け取っていた欠片は彼女からの諸刃の片割れに他なら無かった。

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