1-9 義手
「助手?」
助手と言われても、科学者を手伝えるような専門知識を僕は持っていない。
なら、僕にできることはないと思うんだが。
「私が何を研究しているかについて、まだ教えてなかったな。私は異世界について研究をしている。最近では機械の開発なども手掛けていて、君には異世界の知識を教えて欲しいのだ。」
「異世界についてですか。」
確かにそれなら僕の出番だろう。
というか機械の開発をしているとかすごいな!
「もしかして、この左腕の義手はソフィさんが作ったんですか?」
実はこの義手は、理屈はわからないが元の手と同じように動かせる。
「その通りだ。他にも君にはそういったものを作る為の、モンスターの素材や、鉱石を回収したりして欲しい。」
「ちょっと待ってください!確かに義手はすごいと思いますが、スキルを奪われた僕にはモンスターと戦う力はありませんよ!」
「問題ない。その義手は戦闘用だ。それがあれば戦うことができる。」
「この義手で?」
左腕を動かしてみるが、金属でできている以外は特に変わったところはない。
いや、そもそも普通に元の腕と同じように動かせる点は不思議だが。
「うむ。その義手は特殊な金属でできていて、変形させることができる。まずは【シールドモード】と言ってみろ。」
言われた通り、僕は【シールドモード】と言ってみる。
するとどういう理屈かはわからないが、前腕部分が変形し、盾のようになった。
さらに盾からは半透明な壁みたいなものが出ている。
「【シールドモード】は名前の通り盾に変形する。防御自体は普通の腕でもできるが、その状態だと魔力の盾が発生して広範囲の防御ができる。ちょっとその状態で動くなよ。」
そう言ってソフィさんがナイフを投げると、魔力の壁がナイフを弾いた。
すげぇ!格好良い!
男の子はこういう変形する機械にロマンを感じるものだよな!
「他にはないんですか!?」
僕は興奮して、ソフィさんに詰め寄る。
「落ち着け。他には【ブレードモード】、【ガンモード】、【ドリルモード】がある。元に戻す時は【モード解除】と言えば良い。どういった機能かは説明しなくてもわかるだろう?状況によって使い分けてくれ。」
とりあえず【モード解除】と言って、腕を元に戻す。
しかし、モードを言うだけで変形するなんて、これ元の世界の科学力超えてるんじゃないか?
僕はいまだに興奮を隠しきれない。
「それとその義手は特殊な金属でできていてな。魔力を吸収することができる。相手の魔法を無力化できるし、普段から大気中の魔力を吸収している。その魔力を使って君自身も魔法を使えるようになるはずだ。」
まさに至れり尽くせりだ・・・。
「これで問題はないな?それでは明日から戦ってもらうが、問題ないな?」
もちろん、僕は二つ返事で引き受けるのであった。