1-8 目覚め
「ここは・・・?」
気が付くと僕はベッドに寝かされて居た。
そうだ、俺は勇者に殺されかけたんだ・・・。
あれ・・・?
左腕がある・・・?
なんと僕の左肩から先が機械の義手になっていた。
「ようやく起きたか。3日も寝っぱなしだったぞ。」
部屋の入り口で声がする。
そこには前に出会った白衣の女性と、メイドの2人組が居た。
「私はソフィア・クレイズ。ソフィと呼んでくれ。」
「レナと申しマス。私のことはレナとお呼び捨てくだサイ。」
2人とも同じように自己紹介をしてきた。
何故かレナはカタコトだったが。
「助けてくれて、ありがとうございます。僕は御剣刀夜と言います。」
「気にするな。まずは何があったか聞こうか。」
僕は説明をする。
異世界に来た理由。
勇者に殺されそうになったこと。
スキルが奪われてしまったことなど。
「実はレナに監視させてたから、おおよそ知ってたんだがね。」
それを聞いたソフィがそんなことを言う。
知ってたのかよ!
しかも監視させてたってどういうことだ。
「私は科学者でね。異世界人とか珍しいモノが居たから気になって、レナに監視させてたんだが・・・。まぁ、結果オーライだな。」
結果オーライなのだろうか・・・?
いや、死ぬに比べたらはるかにマシなのは確かだろう。
「ちなみに勇者に殺されそうになったとか他では言うなよ。まず信用されない上に、捕まったら反逆罪で即刻処刑されるぞ。」
ソフィさんがさらっと恐ろしいことを言う。
この国は王制であり、爵位を与えられた貴族が各地域の統治をしている。
魔王を倒した勇者は侯爵の地位を与えられている。
そんな人間を平民状態の僕が証拠も無しに訴えたら、反逆罪が成立する。
その可能性を全く考慮せずにソフィさんに話していた。
危なかった・・・。
「さて、助けてやったんだ。しかも、義手もつけてやった。お礼をもらわないとな。」
ソフィさんがニヤニヤと物凄い嫌な笑みをしている。
命を救ってもらったんだから、お礼をするのはやぶさかではないが、嫌な予感しかしない。
「えっと・・・ほどほどでお願いします・・・。」
「なーに。君の身体で払ってもらうだけだから。」
「え、それって?」
ヴァイスさんと比べたら負けるかもしれないが、ソフィさんもなかなかの美人だ。
自然と僕の顔が赤くなる。
「何を想像しているかはわかるが、違う。君には私の助手になってもらおうというのだ!」