1/4
プロローグ
やっと見つけた、燃え盛る炎に照らされた少女は、数体の怪物に囲まれていた。
少年は、止まれと願う。逃げろと叫ぶ。
けれど彼女は、自分の居場所を守るように、大切な人を守るために、勇敢に怪物へと立ち向う。
ここで気付く。これは夢だと。
正確には記憶だが、眠っているうちに見るのだから夢といえる。
何度も、何度も何度も何度も何度も何度も、思い出し、後悔する過去の記憶。
あの時彼女を止めていたら、あの時、もっと早く彼女を見つけ出してさえいれば――――。
こちらの思いに関係無く、目の前で繰り広げられる過去の出来事。
彼女はあと数分闘い続け、あと数分で手脚を失う。
目の前の少年は、ただ、その場で彼女の名前を叫んでいた。
――――――――凍花。