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元魔王の巡礼記  ザジside

(おかしい)

ザジは困惑していた。

ザジはこの数年間、城の情報を集めていた。

フール街の兵力は低下を辿っている。

まず、人数が少ない。

それには理由がある。

前領主は有能だった。ゆえに地方に飛ばされてしまったらしい。

ついでに人格者で、付いて来る騎士も居た。そういう者はこの地で兵士となった。

有能な兵士は民寄りの考え方をする。そして、上に刃向かうことを厭わない。

だから、交代して最初に現領主がしたことがある。

彼等を処分することだ。

後の弊害になることを予測していたのだ。

その後、欠員は補充されなかった。

人数の増加により、監視が行き届かないことを恐れたのだろう。

だから、兵士数は少ない。

さらに、処分された者の多くは兵力の中心的な存在だった。

よって、残ったのは弱者と狡猾な者、となった。

統率者も居ない。

結束力も弱い。

だから、ザジはそこにつけこめば、この領主を討てると確信した。

ザジたちは戦闘訓練をした。

ザジの師匠であった人物は若い頃、武芸の道でも有名だったから、訓練法は知っていた。

ある程度、強くなった。

ここの兵士と比べても遜色ないほどに。

しかし、

ザジたちは圧倒的に、劣勢だった。


ザジはルルアたちを牢屋から解放したあと、仲間たちと共に兵士のいる場所へと向かった。

場所は城の外の側にある。

兵士たちを倒してしまえば、後はどうとでもなる。

そう思っていた。

ザジの部隊は城を離れ、兵士のいる空間へと向かう。

だが、どこからか、情報が漏れていたらしい。

そこはもぬけの殻。

奇襲する側が奇襲される側に変わる。

良くあることだ。

ザジはそのために、いくつかのグループに分けて行動させていた。

だから、ここで全員、倒されるということは無い。

そして、こちらには兵士に負けない強さがある。

「情報が漏れるのは仕方ない!敵の襲撃に備えろ!!」

動揺する回りを叱責する。

瞬間。

ザジの隣に居た人物が突然、火に包まれた。


ぐあぁぁ!!炎に焼けながら、仲間の一人が、床に倒れた。

火が燃え広がる。

回りから悲鳴が上がる。

ザジは瞬時に思考を回転させた。

「作戦変更!!兵士殲滅はなしだ!領主を討つ、ここは退避だ!!」ザジは叫ぶ。

領主は城の最上階の部屋。

人の焼ける臭い。

ザジの隊はそこから脱出を図る。

が、今度は、地面から火柱が突然上がる。

一人が犠牲になる。

一瞬にして、そこは火の地獄へと変容しかけていた。

なんだ、どうなっている。

敵の姿は見えない。脳裏に浮かぶのは2文字。

魔法、だ。

ザジはありえない、そんな思いにとらわれていた。

魔法使いは、そんなに居ないわけではない。

が、高度の魔法使いは希少だ。

なぜなら、ある一定の域を超えた魔法使いには才能という壁にぶち当たるからだ。

人数が少ないといえ、その力は強大だ。

しかし、そのような者は帝国が保有し、管理している。

ザジはこんな強力な魔法は見たことが無い。

巷の魔法使いは握りこぶしほどのファイアーボールが打てれば1人前、といわれるぐらいなのだ。

それを火柱なんて・・。

ザジは我を疑った。

どうやって、呼び寄せた?

襲撃の日だって、直前に決めた。

そんな大物を呼び寄せる時間なんて無いはずだ。

計画では兵士をここでかく乱、または領主へと向かう人数を減らす手はずだった。

が、どうだ、計画は失敗だ。

事前に他の部隊は領主に向かわせている。

ザジの部隊は精鋭部隊だ。それが手も足も出ず、役目も果たせず、逃げている。

兵士達はもう、領主を守る布陣でいるに違いない。

そして、自分は火属性の魔法使い一人に逃げるだけ。

強大な力が自分達の覚悟を簡単に凌駕する。

もう、この計画は・・。

「っ!!」

感じた何かを怒りで覆い隠す。

「急げ!!他の部隊と合流する!!」

叫びながら、仲間の無事を願う。

もう、始まってしまったら止まれないのだ。

反逆とはそういうことだ。


ただ、先を、見据える。









この後の展開に悩みます。

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