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梓、イキマス!

作者: 朝谷 暁洋

初めて投稿します。タイトルと本文がちぐはぐな感じがするかもしれませんが、そこはご容赦願います。

 二月十四日、すなわち聖バレンタイン・デー。日本中の女の子達が恋の成就に燃えるサバイバル・デー。そしてここにも、恋心を持て余しているうら若き乙女が一人。

「今年こそは成功させたいなー。一年待ったんだもん。私も去年よりキレイになったし。」

 梓には自信があった。一年かけて目当ての男に対してキャラ作りをしてきた。もう五回も遊園地に遊びに行った。高校でのグループ活動では常に一緒に行動した。むしろ向こう側から告白してきてもおかしくないほど親しくなっていた。それでもなお、梓は十分とは考えていなかった。

「告白を成功させるには落としが必要なの。そう、決め手となる落としが」

 チョコはもちろん手作りで、思いつく限りのかわいいラッピングも施した。一緒に渡すメッセージカードには、

「放課後屋上に来てほしい」

 という内容だけを書き、できるだけ含みを持たせた。渡すタイミングはもちろん朝。校門で待ち伏せて恥ずかしそうにしながら半ば強引に押し付けて走り去る。

「完璧。私の作戦に抜かりはないわ」

 梓はにやけるのを我慢できないまま眠りについた。


 次の日の朝、予定通り梓は校門で待ち伏せた。六時半に学校に到着してしまったのはさすがに失敗だったとは思ったが。八時ごろになって、ついに目当ての男がやってきた。言うべき言葉は全て用意してあった。

「お、おはよう」

「あ、おはよう、梓。どうしたの?」

「えっとね、……これ」

「え? これ?」

「い、いいから、もらって。じゃあね!」

 困惑する男をその場に残し、梓はわざと靴音を大きく立てて走り去った。

 その日の授業中、梓はずっとそわそわしていた。『早く最後の一言を言いたくて仕方ない』というように。途中、標的となっている男と目が合うたびに、いたずらっぽくウィンクなどしていた。友人に『にやけている』と指摘されるのも一度や二度ではなかった。


放課後がやってきた。梓は授業終了と共に屋上に駆け上がった。キレイに晴れ渡った空が早くも祝福してくれていた。梓はまだ冷たさが強く残る風を全身に感じながら、男がくるのを待った。

「梓ぁー。いるかー?」

「うん。いるよ」

 いよいよその時がやって来た。梓と男は真正面に向かい合ったが、梓はいつもより一歩前に出、お互いの息づかいが感じられるほど近付いていた。

「あのね、私ね……」

 早速とばかりに切り出した梓の言葉を、男が遮った。

「いや、俺から言わせてくれ」

 驚いたように見上げる梓に、男は小さく微笑んで言った。

「俺と付き合ってくれ」

 この言葉をどれだけ待っただろうか。梓の心の中では無数の花火が飛び、盛大な祭りがすでに始まっていた。

「あ、それと。ありがとね、十三日のバレンタインチョコ」

「え……?」

 梓の顔が急に固まった。数秒の沈黙の後、問う。

「今日、十三日?」

「うん。十三日」

「し……、しまったぁ〜〜〜」

 梓の悲鳴が高く、高く響いた。


「どう? 私の落とし、完璧でしょ」

 梓が友達にこんなことを言ったのは、また別のお話。

なんだか実力のなさがはっきりと出てますね。「最初はこんなもんだろ」と割り切ってますが。これから勉強していこうと思うのでよろしくお願いします。

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