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第7話:数正の裏切り

「織田さま、もう終わりです! 数正がいなくなりました! 数正のやつ、私の機密を全部持って秀吉のところへ走ったみたいです!」

岡崎城の一室で家康は、畳を掻きむしりながら絶叫していた。徳川家を支えてきた最高幹部の裏切りは、軍の全滅に等しい衝撃だった。

部屋の隅で、のんきに干し柿をかじっていた信長は種を庭に吐き捨てて鼻で笑った。

「家康、数正を追い出したのは俺だわ。おみゃあが優柔不断でいつまでも猿にヘコヘコしとるもんで、ちょっと背中を押してやったんだがや」

「えっ、あなたが……? 織田さま、なんてことしてくれるんですか! 私は、本気で切腹しようか迷ったんですよ!」

「機密が漏れるなら、中身を全部作り直せばええ。ついでに古臭い三河のやり方を捨てて、もっとえげつにゃあノブナガ流に塗り替えろっちゅうことだわ。これは徳川の脱皮なんだがや」

「ノブナガ流って……。……分かりました、軍制を武田の様に一新しますよ。数正がいなくても徳川は死なない、そう見せつけるしかないんですね……」

家康が胃を抑えながら家臣団の再編に乗り出す横で、信長は「面白くなってきたがや」と不敵に笑っていた。

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