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第4話:賤ヶ岳の戦いと秀吉の台頭
「大変です! 柴田勝家様が、あの鬼柴田が猿に負けました! お市様まで自害なさるなんて……。信じられません、織田家はもうバラバラです」
家康は、あまりの衝撃にガタガタと震えながら信長に報告した。
信長は、奪ってきた酒を煽りながら庭を眺めて鼻で笑った。
「勝家は、古臭いんだわ。今の戦の勝ち負けは、腕っぷしじゃにゃあ、情報の速さと演出の派手さだわ。猿はそのあたり、わしの背中を見てよう勉強しとるわ」
「感心している場合ですか! 次は私たちが狙われるんですよ。あんなに仲が良かったのに秀吉はもう、私を友とは思っていないようです」
「当たり前だがや。あいつは今、俺の代わりを演じとるんだ。天下という椅子に座るためなら、おみゃあの首だって喜んで差し出させるわ」
「そんな……! 私、秀吉とは戦いたくありませんよ!」
「なら、もっとえげつにゃあ準備をしろ。猿にコイツは面倒だわと震え上がるような罠を、三河中に張り巡らせるんだがや」
家康は胃の痛みに耐えながら、かつての盟友秀吉を迎え撃つための準備を始めた。




