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第33話:将軍職継承

将軍になってわずか二年。信長は、隠居しようとする家康をさらに追い詰める。

「家康、おみゃあ何をボケっとしとる。さっさとその椅子を秀忠に譲れ、今すぐだわ!」

「織田さま、まだ早すぎます! 秀忠はまだ若く、諸大名も納得しません。せめてあと数年は……」

「馬鹿かおみゃあは! 納得させる必要などにゃあ。おみゃあが生きとるうちに徳川は代々将軍だと見せつけて、大坂の猿の息子を絶望させるんだわ。これは話し合いじゃにゃあ、命令だわ!」

信長は家康の耳をちぎれんばかりに引っ張り、秀忠への継承を急かした。

「秀頼さまが大きくなるまでなどと抜かしとる大名どもの首を、この世襲という刃でまとめて撥ね飛ばすんだがや。おみゃあはこれから日本一の嘘つきとして、末代まで呪われる道を選ぶんだわ」

「……そんな、あまりに強引すぎます……」

「ええがや! それがおみゃあが俺のいう事を聞かんで選んだ平和への道なんだわ。ほれ、秀忠を呼べ。おみゃあの余命を全部、あいつに叩き込んでやるがや!」

信長に蹴り飛ばされるようにして、家康は将軍職譲渡を強行した。豊臣家の期待を粉々に粉砕する、残酷な世襲の始まりであった。

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