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第20話:秀次切腹の戦慄

「織田さま、地獄です! 関白秀次殿が謀反の疑いをかけられ、高野山で切腹させられました。それだけでは済まず、秀吉殿は京都の三条河原でその妻子三十人以上を一人残らず処刑しろと……!」

伏見の屋敷で、家康は震える手で報告書を握りしめていた。あまりの非道に顔は、土気色を通り越して青白い。

信長は、屋敷の欄間に片足をかけて座り冷酷なまでに静かな声で囁いた。

「これが醜く老いた猿の正体だわ。我が子秀頼に天下を譲りたい一心で少しでも懸念のある身内を根絶やしにする。おみゃあ、震えとる暇があったら自分の身を守れ。秀次と仲の良かった大名が次々と捕まっとるぞ」

「私とて秀次殿とは親しくしておりました。次は、私の番かもしれん……!」

「なら、今すぐ猿の元へ行け。そして、誰よりも激しく秀次を罵れ。情けは無用だ。秀次のような不忠者は死んで当然、殿下の決断は正しいと泣きながら言い切るんだわ。泥を被って生き残れ、家康」

家康は吐き気を堪えながら、秀吉の前で平伏した。心の中で秀次への謝罪を繰り返しながら、口では秀吉を賛美し保身に徹した。秀吉は虚ろな目で家康を見下ろし、満足げに鼻を鳴らした。

「……織田さま、私は今日、人間を捨てた気がいたします」

「ええがや。捨てた分だけ天下が近付いたんだがや」

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