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第17話:千利休の切腹

「織田さま、信じられません! あの千利休殿が秀吉殿の怒りに触れて切腹を命じられました。茶道ひとつで天下を動かした御仁が……なぜ!」

江戸の普請現場で泥にまみれていた家康は、京から届いた急報を手に震える声で叫んだ。

信長は、積まれた石垣の上に座り込み不気味に目を細めた。

「猿はもう、自分が神になったと勘違いしとるんだわ。自分の気に入らん美があることさえ許せん。利休は、そのプライドの犠牲になったんだがや」

「美……? そんな理由で、これまでの功労者を殺すのですか!」

家康は、冷たい雨が降り始めた空を見上げた。秀吉のやり方は、もはや理屈を超えている。

「次は、おみゃあかもしれんぞ。利休の首が飛んだっちゅうことは、もう誰にも猿を止められんにゃあ。家康、おみゃあは今のうちに秀吉が茶に飽きた後の次の獲物を見極めておけ」

「獲物……ですか?」

「海を越えた先にある、大陸だわ。猿はもう、この島国では収まりきらん狂気を抱えとる」

家康は利休の最期を思い、背筋に冷たいものが走るのを感じた。秀吉という太陽が周囲を焼き尽くす凶星へと変わり始めていた。家康は泥だらけのスコップを握り直し、ただ黙々と江戸の土を掘り続けた。

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