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第11話:聚楽第と秀吉

京都、聚楽第。秀吉が権威を誇示するために築いたこの黄金の城は、今日もまばゆい光を放っていた。家康は、後陽成天皇を迎える盛大な行幸の列に加わっていたがその表情は一向に晴れない。

「織田さま、見てくださいあの秀吉の顔。天皇を盾に我ら大名に忠誠を誓えと迫っているんですよ。露骨すぎて、見ているこちらが恥ずかしくなりますよ」

家康は、行列の隙を見て背後に漂う信長に愚痴をこぼした。

信長は、道端の生垣をすり抜けながら行列を冷ややかに見下ろした。

「猿は、不安でたまらんのだわ。おみゃあが大人しく従っとるフリをすればするほど、あいつの背中は震えとる。ほら、もっと腰を低くして忠義者の顔を作れ」

「言われずともやっております! ……おっと、秀吉殿がこちらを見ておられる」

家康は瞬時に表情を切り替え、秀吉に向かってこれ以上ないほど深い会釈を送った。秀吉は満足げに鼻を鳴らす。

「織田さま、腰が痛くなってきました」

「ええがや、その痛みが、つか猿の首を絞める力に変わるんだわ」

華やかな行幸の裏で家康は静かに自らの牙を隠しす。信長は、その様子を愉しげに眺めていた。

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