表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死体の山で蝿に囲まれていた少女は、“蝿の王女”と呼ばれながら人間になることを学んでいる  作者: ベルモット
第3章 使われる力

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/71

取引の条件

 階段の上で銃声が響く。


 乾いた音が地下まで落ちてくる。

 私は影を押さえたまま動かない。


 増援は近い。


 背後で、縛られた男が低く笑う。


「そのままだと、押し切られるぞ」


 私は振り向かない。


「俺を外に出せ」


 男の声は落ち着いている。


「連中は俺を回収しに来てる」


 階段で何かが崩れる音がする。


 時間は長くない。


「俺が姿を見せれば止まる」


 男が続ける。


 私は、喉元に押さえた膝をわずかに強める。


「……信用できますか」


 男は笑う。


「できないだろうな」


「でも、選べ」


 足音が階段を下りてくる。


「撃ち合うか」


「俺を使うか」


 胸の奥が、わずかにざわつく。


 守ると決めた。


 でも、方法は一つじゃない。


「……条件は?」


 私は言う。


 男が目を細める。


「俺を殺さない」


「それだけですか」


「今はな」


 足音が地下に届く。


 タケトシの気配が背後にある。


 彼は何も言わない。


 私は膝を離す。


「動いたら、折ります」


 声は低い。

 でも震えていない。


 男は立ち上がる。


 階段の影に向かって声を張る。


「撃つな!」


 足音が止まる。


 地下に緊張が張り詰める。


 私は男の背中を見る。


 距離を保つ。


 守るために、使う。


 その選び方を、私は今している。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ