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勉強って疲れるわよねぇ...

作者: 山城 深月

なんか書きたくなっただけです(適当なので見なかったことにしてください)

「勉強って疲れるわよねぇ...」

そう不意に言ったのは、私の叔母である皐月姉さんだった。

「皐月姉さんはもう大人なんだから勉強しなくていいじゃん。俺は来年度から高校生なんだから今まで以上に勉強しなくちゃいけないんだよ」

俺がそう言い返すと、「大人も勉強しなくちゃいけないのよ...」と声を漏らす。

何を言っているんだと思い、姉さんの顔を見たのだが、どう見ても嘘のようには見えなかった。

「せら...大人をなめちゃ駄目なのよ?」

と言われて「なめてないよ」と返した俺を見て姉さんは溜息を吐く。

「大人になっても資格を取るのに勉強は必要よ?それに、職につけたとしても『自分は有能です!』って示すためにできることを出社するたびに増やしていかないと、『こんだけの人材なのかクビねっ☆』って言われて生活ができなくなるわよ?」

と姉さんに脅された。

「いや、それでもさ、元々有能だったら多少はどうにかなるんじゃない?」

俺が聞くと、「せらは甘いね」と言いながら舌をチッチッチッと鳴らしながら人差し指を左右に振る。

「最初が有能でもそれだけだって見限られたらおしまいよ?少しぐらいはできるようになってると思ってもせらなんて全然なのよ?」

「いや、俺学校の成績もずっと一位でキープしてるよ?」

と俺が言うと、姉さんは「それはすごいわ」と言う。

「じゃあ俺大丈夫じゃね?普通に就職活動もうまく行くんじゃね?」

「そんな訳ないじゃない。だけど学校の成績も必要よ?最近は高卒では雇ってくれる場所は少ないし、大卒だとしても難関大学からの合格者を取りたがる企業は多いわ」

「じゃ...じゃあ...」

「けれどね、プレゼンスキルや対人スキルが中々に必要になる職種も多いの。そして、『頭がいいから研究職になる!』と思っても、学校で習わない範囲のことを自分自身で知っておく必要があるの。だけどせらはそんなことないでしょ?『学校のテストで点数が取れたらいい』って思って勉強してるから研究職にはまだ向いてないの」

それを聞いて俺は絶望した。研究職につきたいから学校の勉強を必死にして、苦手な暗記科目も完全に暗記していたというのにそれがほとんど全て無駄だったとでもいうのか...と。

「いや、それでも俺、理科だけはできるよ...?」

「甘すぎるわね...高校生に入ると理科は4科目に分かれるって知ってるわよね?」

そう姉さんに言われて頭の中で科学、物理、生物、地学と浮かぶ。

俺が首を縦に振ると、姉さんは満足したように頷く。

「あんたがなりたいのはどれに近いのよ」

「え...科学じゃないの?」

と俺が返すと姉さんはあきれたように声を漏らした。

「理科の中の一教科で行けると思ってんの?あんたがなりたいのは製薬とか創薬なんでしょ?科学は勿論なんだけど、人間に使うんだから生物分野も必要よ。一つだけって思ったかもしれないけど生物か科学で悩んでもらわないと、せらが作った薬なんて怖くて使えやしないわ」

そうやって姉さんは吐き捨てる。

そんなに辛辣じゃなくてもいいじゃないかと思うが、彼女の指摘は全て的を射ていることばかりなのでぐうの音も出ない。

「勉強は今で苦しんでやってるんだったら将来好きなことも楽しんでやれやしないわよ。今から勉強を楽しんでやることが、せらが将来の夢に近づけるのよ。口が悪いのは自覚しているけれど、せらはもっと勉強を頑張りなさい。学校のテストのためじゃなくて、せら自身の将来のために勉強を楽しんでできるように頑張りなさい」

そう言って姉さんは家へと帰っていった。なんだか嵐のような一日だったが彼女からは教わることが多くあった。

「流石だな...自分の将来の夢のために入りたかった大学に三浪した姉さんの言うことは凄く身に染みる...」

ちなみに彼女は四回目に無事に主席で合格し、東京大学理科三類卒の医者になった。


けど、なんだか姉さんが言っていたことはどこかで聞き覚えがあった。

「大人になっても勉強」という漫画が姉さんの部屋にあったような...

見てみると姉さんが言ったことがほとんどそのまま書かれていた。

最後に『これはフィクションなので、あんまり真似しすぎると怪我するぞっ☆』と書いてあった。

姉さんなんてことを教えてくれているんだ。と若干引きそうになった俺だった。

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