結果は確認しないといけません 6
街に着いたのはいいですが、何処に降りましょうか。
えーと、あそこは人が居なくて丁度良いかもしれませんね。
では、もう少し飛びましょう。
うん?
えっと…もしかして、ここは路地裏ですか。
そろそろ降りるには良い場所ですね。
ではここら辺にしますか。
右よーし、左よーし、下よーし。
では降下開始です。
この世界に信号はないですけどバードストライクの危険性はありますし、突然左右から馬車が突っ込んでくる可能性もありますから慎重に慎重に…。
はい、着地完了ですね。
うーん、取り敢えずは宿にでも行きましょう。
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この町は確かレリアックという名前でしたね。
レリアック、その名前何処かで聞いたような…
まあ、思い出せないなら気にしなくてもいいですよね!
転生先リストの資料を読む限りこの町には3人居るようですが、どうやって探しましょうか。
人探しなら先ずは聞き込みから始めるべきでしょうか…それとも呼び込みでしょうかね。
ですが…3歳児のお子様に会いたいですと言ったら不審者極まりないですよね…。
私が親なら警備隊とかに通報しますよ。
うーん、どうしましょう?
……
……
特記要項に何か書いてありませんでしたっけ?
ええーと、『転生者の魂には魂濃度差の解消祝福の影響により5年間に渡り特殊な魔力が付与されているので、女神の魔力との合成・衝突はご注意ください。もし合成・衝突した場合には天界浄化部にご連絡ください』
これです!
この特殊な魔力を探ってみれば分かるかもしれません。
魔力を探るだけなら簡単なんですけど、その魔力を悪用されない為にも多分巧妙に隠されてる筈です。
というわけなので、神撮眼を使用して見れば分かるでしょう。
神撮眼は生前の肉体を見る力ですが力を弱めて見ると、生前の肉体は透けて薄く見えて魔力も一緒に見えるようになるのです。
生前でも今でも魔力の根底の特色は変わりません。
その世界に合った魔力濃度になったりはしても転生を繰り返し続けても根底の特色だけは変わりようが無いのです。
ただ、通常の力を弱めて使うのは少しだけ疲れますね。
普通に歩くならともかく一歩一歩をゆっくりと歩くと疲れるのと同じです。
というわけで使ってみるのですが、使いながら周りを見ると今の肉体と生前の肉体の両方が見えて守護霊みたいですね。
子供の集まりそうな場所は、あそこですね。
それと孤児院とかでしょうか。
とにかくこれで何とか一歩前進です!
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ふー、この町はこれで終わりですね。
意外と早く終わりましたけど、これはきついですよ。
ですが、特に問題になるような子が居ないのは幸いでした。
兎に角この調子で進めていきましょう!
さあ、次の町へ向かいますが、移動にはさっきの様な飛行も馬車も使いません。
馬車で移動しては時間が掛かるので転移魔法が使える店を利用しますよ。
よかったですよ。
この町にこの店が置いてあって。
もちろん便利なだけあって予想通り法外な値段です。
ですが利用には躊躇はしませんよ。
なんたって経費で落ちますからね!
この理由が重要です!
次の町は確か…王都!?
ちょっと、嫌な予感がしますけど、行くしかないですよ。
久しぶりの王都はどうなっているのでしょうか。
皆んな元気にしてますかね。
王様も悪事は働いてないといいのですが。
では行きましょうか。
「エルメールです。王都に転移をお願いします」
「王都ですね。料金は金貨50枚です」
高すぎですよ!
えー、支給された分早々に使い切っちゃいそうです。