結果は確認しないといけません 5
「ここは…何処ですか」
おかしいです。
私は今行き慣れたイクシオンに送られた筈です。
ですが周りを見回しても見慣れない森ですね。
もしかして…転移ミス?
「ラポーメスタスさーーーん!」
ちょっと!?
本当にどうしましょうか!
……
はぁ、落ち込んでばかりにもいきません。
先ずはここは何処なのか知る所から始めましょうか。
確か地図があったような…。
有りました、有りました。
この世界に転移される際に魔力で出来ている物は確かな物質に変換されて一緒に転移するので、濡らしたり破いたりしたら大変なので宿などで見るつもりでしたが、仕方ありません。
ふむふむ〜、流石は天界製の地図ですね、この世界の地図とは比べものにならない精密な地図です。
しかし、私でも知らない森となるとへき地か魔境、もしくは異空間ですかね。
魔境と異空間ならお手上げです。
魔境ではトレント達による森林変換がよく行われていますし異空間ならそもそも地図では判明しませんから。
「しかし、これでは地図見ても判明しませんね。仕方ありませんか、少し目立ちますが…」
周りを見ても木しかありません。
せめて特徴ある動物でも見つかれば手掛かりになるのですが。
という訳で女神の7不思議能力その2の解禁です!
「先ずは空間把握…術式構築…魔力循環…自動維持回路起動、"高貴なる双翼"発動!」
この透明で純白色の翼はあらゆる阻害要因を自動防御して自由自在に空を飛びます。
ただ、これを使うのは本当はあまり気乗りしません。
この世界では航空技術が発達してないので空を飛んでいたら魔物だ!モンスターだ!と言われて攻撃されるだけで、良いことはありませんからね。
とりあえず上空に行ってみますが何もわからなかったら…。
ちょっとゾッとしますけど、確かめないことには何も始まらないです。では飛んでみましょうか。
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「んー、山はありますけど特徴的な山ではないですし…これはどうすれば………ハッ、あれはまさか!」
特徴的な山よりも素晴らしい物を見つけてしまいましたよ!
あの、あの鳥は!
「オニオンバードじゃないですかー!これは幸運です…!今すぐ捕獲しなければ」
オニオンバード、それは私がこの世界によく来る理由の1つです。
玉ねぎの皮を独自で生成して外敵に襲われた場合、その皮に含まれている硫化アリルを相手にぶつけて怯んだ隙に逃げ出します。
ですが、その肉は絶品。
玉ねぎに挟まれた肉はそれはもう柔らかく旨味が溢れてましてね。
あの肉の為なら私は…私は…。
とりゃー!とりあえず1時間の乱獲です!
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ハッ!私は一体何を。
辺りを見渡せば焚き火の跡に、口にはジューシーな肉の味が。
思い出しました。
オニオンバードの乱獲してましたね。
ふぅ、至福の時間でしたね。
………
………
いえいえいえ、目的は覚えてますよ。忘れてませんよ。場所の特定が目的でしたよね。
実はもう場所は特定出来ているのですよ。
オニオンバードは特定の地域しか生息しないので大雑把には判明しました。あとはその地域あたりの森を地図で調べれば…ここ辺りですね。
なら町のある方角は右ですね。
ではこのまま空を飛んでいくとしましょうか。
その方が早いです。
業務中なのに時間を無駄に消費してしまいましたしね。
一応念の為に、不可視化の魔術をかけておきましょう。
少ししか持ちませんが…
うーん、あと一羽ぐらい居ませんかね?あの鳥。