結果は確認しないといけません 2
続きです
天界対応部局長室、それは天界の私のような女神を纏めあげて天界外からの様々な事象に対応するために作られた特別な部屋です。
その部屋には空間転移阻害の魔法や防衛魔法、神宗武器などが常備されていて非常時の避難場所としても活用されるそうなんです。
まぁ私が勤務してからは非常時なんてありませんでしたから、局長のいる魔の局地ならぬ魔の極地という認識なんですけどね…
部屋の前に着いてしまいました。
あとはノックをするだけで、引き返しが出来なくなります。
「エルメール、心の準備は出来ましたか?」
「はい。ラポーメスタスさんの方はどうですか?」
「大丈夫ですよ。…ちなみに遺書の用意は出来ましたか?」
「え」
ちょっと待ってください。遺書必要なんですか!?私の女神生はここで終わっちゃうんですか!?
嫌ですよ!まだまだ仕事頑張りますから見逃して下さい!
「冗談です。ですからそのチワワみたいに助けを乞う顔は辞めなさい。チワワとこれから会う局長に失礼ですよ」
今の笑えない冗談を言ったラポーメスタスさんこそ私に対して失礼ですよ…。
今のでより緊張しましたがこれ以上待たせたら後が怖いです。
意を決してノックをするとしましょう。
コンコンコンコン。
4回のノックをした後に扉の奥から声が聞こえてきました。
『入れ』
魔力の乗った言葉が聞こえた後に扉が突然開きました。
今のは神言?
凄いですね。
神言は今の私では到底扱えないので、格の違いを見せつけられた気分です。
「女神エルメール、召喚に応じ現着しました」
「同じく女神ラポーメスタス、女神エルメールの同伴として現着しました」
「よく来てくれた。私は天界対応部局長ユースティミスだ。女神エルメールと女神ラポーメスタス、先ずは椅子に座ってくれ。それと…」
『閉めろ』
局長の言葉で、扉が自ら閉まって行きました。
閉まる音がしない程ゆっくりに。
…本当に見事ですね。
それにしても間近で見ても局長は美人と言える容姿ですが、口調が怖いのでギャップが凄い違和感です。
ですが何故でしょう。局長の放つ圧と口調がこの上なく合っているとしか思えません。
「それで…先ずはラポーメスタスがここに居る理由から聞こうか」
オーラが怖いので上手く話せません。先輩ここはお譲りしますよ。
「ラポーメスタスさん、どうぞ」
「何を言っているのですか?私はあくまでも付き添いです。貴女が話しなさい」
…ですよね。
仕方ありません。
では!
「初めまして、ユースティミス様。私はエルメールです。本日は御日柄も良く…」
「そこから話すのか。長いから挨拶はいらん。早く説明をしろ」
緊張が悪いのですよ。緊張が。
私は頑張ろうとしただけなので。
「はい、では。局長とは初めて会うので緊張しましてラポーメスタスさんには、緊張をほぐすために同行をお願いしました」
半分は嘘です。
正確には、緊張1割と恐怖9割ですね。
「ほう、ほんとうにか?」
バレてます!?
どうしましょう。
いえ、ここは嘘でも貫き通すしかありません!
「はい、本当ですよ」
真っ直ぐ相手を見て言えば信じてくれるはずです!
…
……やっぱり真っ直ぐは怖いので少し斜めにしときましょうか。
「はあ、まぁ良い。ではラポーメスタスはそのまま此処にいろ。お前を呼んだ訳を説明しよう」
ラポーメスタスさん巻き込んですみません。
今更ながら反省してきましたよ。
局長怖い、局長怖い。