私はエルメール。女神です 2
すみません、不定期とは言いましたが筆が乗った時は書きますので連日投稿します。
1人の魂を転生させた後は事務仕事です。
実は私、事務仕事はそこまで好きでは無いのですよ…。
転生した魂の移界手続き、転生先の肉体への定着依頼書、魂濃度差の解消祝福の準備届けなどetc…
やる事いっぱい。
無事に転生が決まったのは嬉しいばかりですが、やっぱり手続きは面倒ですね。
ですが放り出す訳には行きません!
恐怖を乗り越えて転生した魂のためにも、嫌な事務仕事も問題なくこなして見せましょう!
そんな私たち女神の事務仕事には、ペンも紙も使いません。
魔力を使った手続きで事務仕事を行なっています。
天界の職場では特例を除いて物質は持ち込めないのです。
ですから肉体は此処には来れません。
もちろん、私たち女神も肉体ではありません。
この体は魂を核として魔力によって肉体を模って出来ているのです。
ある意味では魔力の塊と言えましょう。
ですが、魔力の体といっても疲労は溜まりますし味覚もあります。なんら肉体と変わらない体なんですよ。
さて!
事務仕事に取り掛かりましょう!
えーと、これはあっちで、これはここで。
この欄はあの内容で。あ、こっちの欄は大丈夫ですね。えーと、え〜と。
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ふ〜ようやく終わりましたよー。
まったく、事務仕事は頭が疲れます。
もっと簡略化してほしいですよ。
でもこれで次の魂の対応に取り掛かれますよ!
キーンコーンカーコン
キーンコーンカーンコーン
おや?どうやら休憩の時間ですね。
次の魂の人には申し訳ありませんが休憩しますか。
さーて休憩中には何食べましょうか?
実は職場への物質の持ち込みの特例にはお茶やデザートも含まれてます。
と言っても毎回毎回申請しないといけませんけどね。
うーん、今日はショートケーキにしましょうか?
飲みも〜のは、なーにーにしましょうか?
「おや?今からおやつの時間ですか?良いですね。私もご一緒しても?」
おっと。せっかくですし、飲み物を聞きましょうか。
「ええ、どうぞ。お茶とコーヒーどちらにします?」
「ではお茶で」
ラポーメスタスさん。
先程のように魂を私の元に転移させたりする仕事をしている女神です。
「お疲れ様でした。いつ見ても見事な対応でしたね」
そんな〜。恥ずかしいぐらいに持ち上げてもお茶ぐらいしか出ませんよー。
「それほどでもありませんよ。ただあの人達のために出来ることをしているだけですから」
「いえいえ、勤務歴10年とは思えないぐらいの良い出来でした」
褒められて悪い気はしないですけど、背中がむず痒いです。
あれ?何も持ってきていないのですか?
仕方ないですね〜。
「ショートケーキでよければ半分入ります?」
「良いのですか?」
「私とラポーメスタスさんの仲ではないですか。それぐらい大丈夫ですよ」
「それではありがたく」
ズズー。はぁー、お茶が美味いです。
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休憩も終わったので2人目といきましょうか。
ピンポーン
「エルメールさん、2人目お願いします」
はい。深呼吸してー。吐いて。吸ってー。
準備万端です!何時でもどうぞ!
それで…あれ?
やってきた魂はなんだか弱々しいです。
珍しいですね。
やって来る魂に質や濃度の差はあっても弱々しいことなんて普通はありません。
やって来るのがお爺ちゃんやお婆ちゃんでも、魂の強弱には若い人とは差はありません。
魂の劣化と肉体の劣化は別ものです。
それなのにこの魂は…
もしかしたらと思い早速神撮眼を使います。
やっぱりでした。
こんなことは初めてです。
まさか
やって来たのが赤子だなんて。






