『 』
森が、焼けていく。
天を、赤く焦がしながら。
巨大な湖の中心に、大きな樹がそびえていた。
そこに、ヒトのようなエルフのような……バケモノのような女がいた。
顔は、エルフのようだった。
だが、その両手はまるで魚のヒレのようだ。それが、幾つも腕から生えている。
両足はなく、その代わり木々の根のようなモノが生えている。
美しい銀色の髪が足下まで伸びる。その瞳は、空と緑が合わさったような色だった。
まさしく、人外である。
彼女は、両手と言って良いのか、とにかくその手にランタンを持っていた。
ランタンには、青い炎が燃えている。
とても小さくて、しかし凜とした炎が。
彼女は、憂い顔で森の最期を眺めている。
そのうちに、湖に突如青い炎が燃え上がった。
森を侵略していく赤い炎ではない。
激しく燃え上がりながるその青い炎に、彼女は水の上を歩きながら近寄った。
「そう、貴方も、それを選ぶのね」
その炎に手を伸ばし、彼女は歌うように言う。
「独りでは難しい。けれど、二人なら……種族も違う二人なら……」
彼女は、ランタンを開けて小さな炎を外へと出す。
小さな炎は、激しい炎の側で燃え続ける。
「代償が要るわ。それでも、彼女と同じくあなたも望むのでしょうね」
大樹が、いつの間にか燃えていく。
「さぁ、行きなさい」
青い炎が、大樹を燃やしていく。
「キセキを--貴方達に祝福を!!」
第一章、これにて閉幕となります
第二章は書き途中でまだストックができていないので、明日幕間を投稿して、毎日更新は一度お休みとさせていただきます
第二章は週一、もしくは不規則投稿となります
ここまでお読みくださりありがとうございました




