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最期のキセキを貴方に  作者: 絢無晴蘿
第一章 『聖女が降臨したけれど、私は普通に暮らしたかった』
16/28

『   』



 森が、焼けていく。


 天を、赤く焦がしながら。


 巨大な湖の中心に、大きな樹がそびえていた。

 そこに、ヒトのようなエルフのような……バケモノのような女がいた。

 顔は、エルフのようだった。

 だが、その両手はまるで魚のヒレのようだ。それが、幾つも腕から生えている。

 両足はなく、その代わり木々の根のようなモノが生えている。

 美しい銀色の髪が足下まで伸びる。その瞳は、空と緑が合わさったような色だった。

 まさしく、人外である。

 彼女は、両手と言って良いのか、とにかくその手にランタンを持っていた。

 ランタンには、青い炎が燃えている。

 とても小さくて、しかし凜とした炎が。

 彼女は、憂い顔で森の最期を眺めている。

 そのうちに、湖に突如青い炎が燃え上がった。

 森を侵略していく赤い炎ではない。

 激しく燃え上がりながるその青い炎に、彼女は水の上を歩きながら近寄った。


「そう、貴方も、それを選ぶのね」


 その炎に手を伸ばし、彼女は歌うように言う。


「独りでは難しい。けれど、二人なら……種族も違う二人なら……」


 彼女は、ランタンを開けて小さな炎を外へと出す。

 小さな炎は、激しい炎の側で燃え続ける。


「代償が要るわ。それでも、彼女と同じくあなたも望むのでしょうね」


 大樹が、いつの間にか燃えていく。


「さぁ、行きなさい」


 青い炎が、大樹を燃やしていく。



「キセキを--貴方達に祝福を!!」






第一章、これにて閉幕となります

第二章は書き途中でまだストックができていないので、明日幕間を投稿して、毎日更新は一度お休みとさせていただきます

第二章は週一、もしくは不規則投稿となります

ここまでお読みくださりありがとうございました

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